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しょうもない僕らの恋愛論 感想まとめ

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全話感想

木曜日23:59~日本テレビ系列で放送

第1話 2023年1月19日 元カノの娘と出会う
第2話 2023年1月26日 安奈の思い出
第3話 2023年2月02日 みんなで写生
第4話 2023年2月09日 バンド仲間転勤
第5話 2023年2月16日 絵里告白
第6話 2023年2月23日 絵里と交際
第7話 2023年3月02日 絵里と同居、ちょっと喧嘩
第8話 2023年3月09日 独立を決意、絵里と大喧嘩
第9話 2023年3月16日 絵里との別れ
第10話 2023年3月23日 3年後の再開

↓配信状況はこちらを参考にしてください
しょうもない僕らの恋愛論 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

 

基本情報

原作

原秀則

『冬物語』や『レガッタ』を手掛けた漫画家さんです。

主題歌

JO1「We Good」

主な登場人物

筒見拓郎(眞島秀和)

40代独身のデザイナー

森田絵里(矢田亜希子)

主人公の同級生で片思いを寄せる

谷村くるみ(中田青渚)

拓郎の初恋の人・杏奈の娘

相関図はこちら↓
相関図|しょうもない僕らの恋愛論|読売テレビ (ytv.co.jp)

全体の感想

序盤はかなり面白い

このドラマの第1話と第2話はすごく面白いです。まず20年前別れた元カノから友達申請がきて、会ってみたらそっくりな娘だった。という出会いが鮮烈なんです。

岩井俊二作品のようなはかなさやノスタルジーを感じますし、バンド仲間という設定で『シングストリート』のような青春とその時代の音楽の感じもしてきます。

最近流行りの2つの時代を描いて親の世代にも子供の世代にも刺さる作品に序盤はなっていました。

漫画的表現

原作が漫画だからなのか、漫画的なコマのうまさを感じました。

そもそも母親にそっくりな娘というのも漫画っぽいですし、アイテムが上手いんです。
バッティングセンターのスタンプカードとか、ヘアピンとか、ストーリー性を持ったアイテムを散りばめていてその一つ一つが印象的です。

2面性

主人公の筒見はくるみとの出会いを通して自分が一番輝いていたあの頃を追体験するとともに、もしあのまま安奈と付き合っていればありえたかもしれない未来・娘としてのくるみを父親のように導く面もあるんです。

そしてその過程で自分も生命力を取り戻すというストーリーはすがすがしかった。

男の願望 

ここからは悪い点ですが、どうしても男のナルシシズムが気になりました。

「ダサい俺ってかっこいいでしょ」的な、いつまでも少年のような心を忘れない的な、価値観はノイズでした。

都合のいい女たち

そのおっさんの願望は女性たちにも反映されます。

特に絵里は20年以上平凡なおじさんを一途に思い続けてくれていましたし、くるみだって3年経っても筒見のことを好きなままでした。

さらに、絵里は筒見の気持ちに気付いて自ら身を引きますし、別れた後は新たな恋人を見つけてくれるので、筒見は罪悪感を感じずに済んでいます。

矢田亜希子さんが演じているからなおさらかもしれません。

矢田さんは『やまとなでしこ』でも『恋のチカラ』でも主人公に都合のいい女を演じていました。

20年間片思いということは絵里は『やまとなでしこ』の若葉ちゃんとほぼ同一人物なんですよ。

とはいいつつ

筒見はデザイナーですが、漫画家である作者が自己を投影したキャラクターでしょう。

クリエイターである以上、時代の要請にこたえ続けなければならない。

そんな生活に疲れ切ったおじさんが「古かろうがダサかろうが、俺はこれが好きだし、これしか作れない」と開き直った作品だと考えれば、思い出の中に生きようとする主人公にも納得ができますし、責める気もわきません。

同クールに放送されていた『6秒間の軌跡』は20年間変化することを拒否し続けた男が変わろうとする話でしたが、このドラマは20年間変化することを求められ続けた男が疲れ切った話だと考えれば対照的ですね。