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辛い話なんだけど止まらなくなりますね。非常にち密に練り上げられていて退屈しません。
放送日・あらすじ
放送日
2011年7月28日(木)22:00~フジテレビ系列で放送
あらすじ
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それでも、生きてゆく - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ
感想
双葉と響子
前回に引き続き二人の関係からスタート。
「良かったですね」という言葉はあまりに不謹慎ですよね。
亜季が性暴行を受けていないことが分かったというだけで、亜季が殺害されたことには変わりがないんだってことを再確認するシーンでした。
このドラマの特徴的なところは事件以前から2つの家族はそれなりに顔見知りだったというところにあります。
双葉の野茂のものまねのエピソードや双葉の父の時計のエピソードも事件前の出来事なんですよね。
野茂英雄さんがメジャーリーグに移籍したのは1995年で、ノーヒットノーランを達成したのが1996年です。事件が起きた頃ですね。
響子は加害者家族を恨むことで喪失感を埋めていましたが不意に双葉に出会って、彼女の人となりを知ってしまったことでその逃避もできなくなってしまいました。
耕平が『ドラえもん』てんとう虫コミックス第1巻『ご先祖様、がんばれ』の名言を引用していました。
彼は漫画に詳しいようです。
兄を連れ帰らなかった理由
さて今回は双葉の父・駿輔が話の中心でした。
あの”みかん”を見て日向夏だと即答することで「この人文哉に会ったことがあるんだな」とわからせる手法は素晴らしいですね。
この駿輔という男は家族を守るために文哉をあきらめていたし、被害者遺族から許されることもあきらめています。
連れ帰らなかった理由として「カレーのにおいがしたから」と語りますが、後にもカレーライスが一家だんらんを象徴するものとして登場します。
そこでは双葉と文哉の二人は灯里とは母親が違うことが明かされます。
文哉を受け入れるということは文哉とは血の繋がりがない隆美(風吹ジュン)との衝突を覚悟しなければならないし、隆美は灯里の母親でもあるわけで、家族が崩壊してしまう危険があるんです。
隆美は文哉のことを「そんな名前ださないで」とか「人殺し」と言っていますし、双葉はその秘密を知りませんし、いつ崩れてもおかしくない緊張感の中でかろうじて家族を保っていたようです。
双葉は「この一目つむってるな」とか「逃げてばかりいると目が死ぬ」とか結構辛辣なことを父に言っていましたが、父がそうしているのにも事情があるんですよね。
駿輔と洋貴
洋貴と駿輔は出会い喫茶店に入ります。このシーンで世間の厳しい目に駿輔はさらされるのですが、そこで言われるのが「事件の前から偉そうだった」とか「ネクタイもせずに」とか本当ピントがずれていて、洋貴の「そういうんじゃないんで」っていう言葉に共感してしまいます。
洋貴のことを思っているようで、当事者不在の憂さ晴らしでしかなくて、ネットにあふれる匿名の"正しい”意見の暴力性というか非生産性というか、そういったものも感じました。
洋貴が言いたかったことは「覚悟を決めて現実と向き合ってください。そしてそうすることで私が父を尊敬したように双葉や家族もわかってくれると思います。」ってことなんでしょう。
ある意味加害者家族のことを思いやった言葉です。
まとめ
本当に面白いです。楽しいお話ではないですけど、引き込まれます。