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最高の教師【第10話(最終回)感想】結末には違和感

 

 

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松岡茉優さん、芦田愛菜さん出演ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』第10話(最終回)は九条(松岡茉優)を突き落した犯人の正体が発覚しました。一つ一つのパーツにはいろんな工夫が見られ丁寧な印象を受けますが、その総体として示される結末には若干違和感があります。

放送日・あらすじ

放送日

2023年9月23日(土)22:00~ 日本テレビ系列で放送

あらすじ

ストーリー#10「『変わらない』と諦める貴方へ」(2023年9月23日放送)|最高の教師 1年後、私は生徒に■された|日本テレビ (ntv.co.jp)

配信状況はこちらや公式サイトでご確認ください↓
最高の教師 1年後、私は生徒に■された - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

キャスト

相関図はコチラ↓
相関図・座席表|最高の教師 1年後、私は生徒に■された|日本テレビ (ntv.co.jp)

 

感想

最初に

私はこのドラマはまぁまぁ面白かったと思っています。
しかし、納得しているかと言われると微妙です。
そもそも一つのテレビドラマに対して、人が生きる意味についてのすべてを包摂した回答を求めるのは過大な要求かもしれません。
そのため、これから私が書くことは重箱の隅をつつくような、無いものねだりのような内容に思われるかもしれませんが、私が思ったことを率直に書かせていただきます。

卒業式前夜まで

前回鵜久森の死に直接かかわったとして補導された3人も復学したんですね。
全員そろって卒業するというのは現実にはあり得ないかもしれないですが、このドラマ内では自然なことのように思えます。
鵜久森の机に飾られた「色とりどりの花」など、花が今回のキーアイテムになっていましたね。

早乙女と勝見のやりとり、九条と夫のやりとりを通じて示されたのは当事者の理屈と周囲の理屈でした。
「手を差し伸べたい」と思う周囲に対して、「巻き込みたくない」と遠ざけてしまう当事者の互いの理屈が示されています。
そのやりとりを聞いている九条が今まさに「二人を巻き込みたくない」と思っているのが面白いですね。
この九条の友人二人と九条の夫・蓮の違いは「2周目の人生」を知っているかどうかで分けられます。
ここの差異が設けられていることで繰り返しにならなかったですね。

明日が来る感覚

鵜久森も口にした「明日が来る感覚」という言葉も最終回のキーワードでした。
ただ、私が思うに、この「明日が来る感覚」という言葉には一つ仕掛けがあるんですよね。
それは「九条に限らず、誰だって明日が来る感覚など持ち合わせていない」ということです。
まぁ、「多くの人は(当たり前のように)明日が来ると思って生きている」っていう方が正しいのかもしれませんけどね。
明日死ぬかもしれないのになぜ今日頑張るのか?もっと言えば、人はいずれ死ぬのになぜ生きているのか?という問いは哲学的ですね。
このドラマでは「(誰もが)明日を信じて今を変えているんだ」と主張しているのだと思います。

真犯人

真犯人は大方の予想通り星崎でした。
その動機も大体想定内です。

虚無感に支配され白黒の世界を生きる星崎と鵜久森を象徴する色彩豊かな花壇が対比的に描かれていました。

このシーンに私は多少違和感を感じました。
まず、星崎は一周目の時の九条とパラレルな存在なんだと思います。
ある意味、九条は過去の自分と対話しているんじゃないかな?

しかし一方で二人の間には大きな違いがあります。
九条は生きることに固執しました。
対する星崎はることを拒絶しています。

この二人の差がどこにあるのかというと「待ってくれる人」の有無です。
そして最終的にはクラスメイトから「俺たちのために死ぬな」と言われて色のある世界を取り戻しました。

これって結末として微妙な気がします。
「星崎君も孤独じゃなかったんだよ」っていうメッセージは本当に孤独な人には届きません。
「星崎にはいた、でも私にはいない」って感じで受け止める余地があります。
社会問題化している拡大自殺の当事者は社会から疎外された人が多いですよね。
それは彼らの心の持ちように問題があるってことになっちゃうような気がするんですよね。

星崎は達観しているというか、「誰かが変えてくれる」のを待っていて、自分の人生を生きていないキャラクターでした。
「もっと自分を信じて」という九条の最初のアドバイスの方が正しい気がするんだけどなぁ。

結末

「最高の教師とは生徒である」とタイトルの意味を回収したり、伏字になっていた部分を「託」されたと種明かしする畳みかけは面白かったです。

でも、浜岡に刺されるっていうのは展開としてどうなんでしょうね?

それって悪意をクラスの外側に追いやっただけなんじゃないかな?
ていうか、西岡が刺すとすれば相楽じゃないかな?

おわりに

全体的にエヴァっぽかったです。
夕日のシーンがあったり『今日の日はさようなら』が流れていたからかな?

色々書きましたが、最終回としてはまとまっていたと思います。

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