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最高の教師【第5話感想】詩羽さん、莉子さんの回

 

 

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松岡茉優さん、芦田愛菜さん出演ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』第5話は水曜日のカンパネラ・詩羽さんの回でした。椎名林檎さんの『17』という曲になぞらえた今回のストーリーは、一人の女性が異質な自分を受け入れ肯定する瞬間を圧倒的な歌唱とともに表現していました。

放送日・あらすじ

放送日

2023年8月12日(土)22:00~ 日本テレビ系列で放送

あらすじ

ストーリー#05『拝啓、変り者と呼ばれる貴方へ』(2023年8月12日放送)|最高の教師 1年後、私は生徒に■された|日本テレビ (ntv.co.jp)

配信状況はこちらや公式サイトでご確認ください↓
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キャスト

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相関図・座席表|最高の教師 1年後、私は生徒に■された|日本テレビ (ntv.co.jp)

 

感想

文化祭

今回は文化祭という学校行事の代表格が登場しました。クラス全員で一つの目標に向かって頑張る姿は青春のワンシーンとして印象的です。
これまでモブっぽくて誰だかわからないようなキャラクターが急に喋り出してちょっと戸惑いました。
生田(莉子)なんていう生徒いましたっけ?
どんなスタンスでこれまでこのクラスに存在していたのかわからないんですよね。
このドラマは第1話でクラス全体でいじめに加担していました。
そのため、どのキャラクターが登場しても「あの時何してたっけ?」ってなっちゃうんですよね。
フラットに登場することが出来ないんです。

瑞奈(詩羽)

瑞奈はその風貌も異質で、プロのミュージシャンとして普通とは違う道を進んでいることから、クラスの中で浮いていました。
そういえば前回孤独になった江波が話しかけていましたね。

「控えめに言って最高。」とか「絶対に、確実に。」とか印象的なセリフでキャラ付けされていていい感じでした。

冒頭瑞奈のモノローグの「私のことを知っているのに知らないことに慣れてしまった」と語っていたり、途中で九条が「問題の本質は人が作り上げるイメージ」だと言っていたり、かなり丁寧に伝えたいメッセージを整理した印象です。
今回の最終盤が歌で締めくくられるからかもしれません。

それでもわかりにくかった印象です。

青春とは何か?

なぜわかりにくいかというと、瑞奈自身がまだ自分の悩みを理解しきれていないからなんです。
この瑞奈という人物は異質な人間でありながら、「普通」に見られたいという願望を持っていたんですね。
そのことは九条の友人の早乙女に「普通の高校生」として扱われて笑顔になることからもわかります。

一方で、九条が瑞奈に求めているのは「普通」という概念を打ち崩すことであり、瑞奈も椎名林檎の曲を何度も聴いていることからもわかる通り、深層では異質な自分を誇りたいという願望をもっているんです。
このねじれが今回のストーリーを分かりづらくしています。

星崎が「青春ってなんだろう?」と九条に質問していました。
それに対して九条は「損得に縛られず、今この瞬間を全力で謳歌する日々が振り返ってみて青春だったと思える」と答えました。
ここで例示されているのが(椎名林檎さんの歌詞の中では否定的に登場するのですが)友人としゃべりながら帰った日々とかなんです。

私は最初このドラマを観た時に「みんなと過ごさなければ青春じゃないの?」とか「『私はプロとしての活動に青春をささげている』っていう態度だってあっても良いんじゃない?」って感じてもやっとしました。
ある意味、調子に乗るなという同調圧力を批判しつつ、「みんなと汗を流そう」と同調を求めているんですよね。

でも一方でみんなで面倒くさいことを一緒にやる姿勢って言うのも完全に否定すべきことでもありません。
失敗しても立ち上がる姿は肯定されるべきものです。
また、アマチュアでプロを目指している人たちのダンスだって否定されるべきものではありません。
このドラマではそのあたりに配慮したのか、もやっと感が解消されるにはラストまで待たなければなりませんでした。

今回語られたのは「やりたいことを自由に『やりたい』と主張できる大切さ」と「調子に乗ること」でした。
結局のところ二つは同じ概念で、「頑張っている人の足を引っ張るのではなく、一人一人が夢に向かって頑張ろう。」ってことですね。

文化祭本番

今回のストーリーは椎名林檎さんの『17』という曲に即して作られています。
そのため、最後に瑞奈が『17』を歌うと、瑞奈が異質な自分を肯定する瞬間に立ち会ったような感動があります。
傍らで涙を流す生田の様子からもそれだけでドラマを感じられます。
これはもちろん詩羽さんが本物の歌手であることによる説得力が大きく関係しているのでしょう。

一方で本物の歌手になりたいという人があの場で誰かの唄をカバーするか?という疑問は残りました。
アーティストなら自分の言葉で表現するんじゃないかな?

ノートに書いた訳詞を見せるという演出は説明的ではなくて良かったと思います。
歌い終えた後、エンディングテーマの菅田将暉さんの曲に拍手の鳴りやまない中、自然に移行するのも気持ちよかったです。

 

人生2周目

鵜久森も九条と同じく人生2周目であることが判明しました。
そもそも「人生2周目」というミームは子供でありながら大人びた芦田愛菜さんに向けられて用いられたものであり、芦田愛菜さんありきで作られたドラマだと思いますのでそれほど驚きはありません。

このドラマでは思い残したことがあるまま死んでしまうと4月に連れ戻されてしまうのかもしれないですね。
同じ日々を繰り返す主人公が主体的に生きるに至る『恋はデジャブ』という映画を思い出しました。

おわりに

文化祭のシーンで登場したBeSTARはこのドラマのスピンオフである『最高の生徒』の面々です。
興味のある方はぜひそちらもご覧になってください。
TVerで観られます。

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