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彼女たちの犯罪【第10話(最終回)感想】大体予想通り

 

 

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深川麻衣さん、石井杏奈さん、前田敦子さん出演ドラマ『彼女たちの犯罪』第10話は最終回らしく、3人が迎える顛末が描かれました。どんでん返しの影響で繭美以外のキャラクターは結構ブレているので相対的に繭美の主役度が増している気がします。

放送日・あらすじ他

放送日

2023年9月21日(木)23:59~ 日本テレビ系列で放送

あらすじ

第十話|ストーリー|彼女たちの犯罪|読売テレビ (ytv.co.jp)

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彼女たちの犯罪 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

 

キャスト

日村繭美(深川麻衣)大手アパレル企業の広報。交際相手が既婚者と知る。
神野由香里(前田敦子)智明の妻。夫の不倫と不妊に悩む。
熊沢理子(石井杏奈)新人刑事。
神野智明(毎熊克哉)由香里の夫。医師。大学時代の後輩・繭美と再会。
玉名翠(さとうほなみ)謎多き女性。由香里の唯一の友人になっていく。
上原武治(野間口徹)理子とバディを組む先輩刑事。

相関図はコチラ↓
相関図|彼女たちの犯罪|読売テレビ (ytv.co.jp)

感想

前回までで事件の真相は全て明かされているため、最終回は彼女たち3人(4人)がどのような結末を迎えるかが描かれていました。

結末を含めほぼ予想通りで、意外なことは何も起きませんでしたね。
最終回で片付けなければならない問題を一つ一つこなしているような感じでした。

3人の逮捕

前回までで事件の流れはほぼ判明していましたが、唯一欠けていた本物の由香里と3人の接点が血痕の発見により結びつき、すべての証拠が出そろいました。

展開自体はそれほど面白い物ではありませんでしたが、さとうほなみさんのナレーションで切れ味鋭い言葉が次々に投げかけられていて、そっちの方がグッときましたね。

特に「現実から逃げた先にあるのは別の現実でしかない」っていうセリフはこのドラマを総括するものですし、「そうだよなぁ」と共感せずにはいられないです。
私も現実逃避して理想の世界を夢想してしまうことは良くあるので結構刺さりましたね。
これからもこのセリフはたまに思い出すことがあるかも。

繭美

私は繭美(深川麻衣)の人間臭さが好きです。
虚栄心に憑りつかれ、逮捕されそうになっている現在でも同級生たちに見栄を張ってしまう彼女には何とも言えない悲しさがあります。
しかも彼女はどちらかというと不器用な方で、おそらく彼女が虚勢を張っていることはみんなにバレているんです。
繭美もバレていることに気付いているから余計に虚勢を張ってしますという悪循環ですね。
彼女のことを本当に慕ってくれていたのは理子だけで、その思いに気付かなかったことが事件の遠因になっているというのも面白いです。

由香里

私は今回の由香里(前田敦子)のエピソードはあまり好きじゃないです。
前回は面白かったんですけどね……。

由香里はこのドラマが始まった当初「自由を求めて犯行に及んだ」ということになっていました。
でも、彼女が別人だということが判明したことで当初の悩みがどっかに消えてしまっているんです。
自分というものを持たない無色透明存在だったことの方が、愛のない結婚生活よりも問題として大きすぎるからです。
そのことによりストーリーのバランスが崩れてます。
「あなたはあなたでしょ」という姑とのやりとりにその歪みが顕在化しています。
姑は当初由香里を縛り付ける存在だったのに、最終回ではなぜかよき理解者になっているんです。

智明への制裁

理子の犯行計画は智明を陥れることだけが目的で、翠の自殺は阻止する予定だったみたいです。
でも計画が犯罪に傾いているのに特に中止するそぶりを見せなかったことや、その後も智明に対して「楽しんでいただけましたか?」と種明かししているのはちょっと整合性がとれていないような気もしますね。
「運命の歯車が狂っただけで彼女たちは悪くない」とするには事態が深刻過ぎます。
まぁそれは置いておきます。

最終回では智明をこのままにしておくわけにはいかないということで怒り狂う智明に真実を突き付けました。

ここでの毎熊さんのクズ演技は最高でした。
あまりにクズだったので謝ろうとする展開は逆に不自然に感じてしまいました。

繭美は理子の復讐を果たすことで自らの罪にも向き合う覚悟ができたようですね。

大輔の問題

理子が死んだことで天涯孤独となった大輔を翠が引き取りました。
この世に執着がなく死ぬことを望んでいた翠が、ただ一人生きる活力を取り戻し人生を再生させたのは皮肉な結末です。

ナレーションを翠が担当していたこと理由も最後に判明しました。
タイトルの『彼女たちの犯罪』とは翠から見た「彼女たち」だったのですね。

でも彼女たちの犯罪がエスカレートした最大の原因は翠の自殺願望だったわけで、その張本人が「彼女たち」と事件を客観視しているのは違和感があります。

 

「自分の思い描いた幸せすらままならないのに互いの幸せをトレードするなんて土台無理だった」とか「互いの幸せのために寄り添うことはできる」というセリフからも分かる通り、彼女たちには自分の抱えた問題を解決する方法が他にいくらでもあったんです。
にもかかわらず誰かに素直に人を頼ることが出来ず、極端な手法を取ってしまった人間の愚かさ、物悲しさのトーンが作品全体に漂っています。

おわりに

3人の物語ですが、個人的にはこのドラマは繭美の物語なのだと思っています。
どんでん返しもあり、最初から最後まで楽しめました。
多少展開に無理があり、そのひずみが違和感として各所に現れていますが、その分示されたメッセージは質が高いのでプラスマイナスゼロって感じですね。

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(本ページの情報は2023年7月時点のものです。最新の配信状況はhuluサイトにてご確認ください。)

原作は電子書籍で読めます

横関大
『彼女たちの犯罪』

 

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