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波よ聞いてくれ第8話(最終回)~完璧な最終回

 

 

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遂に最終回を迎えた『波を聞いてくれ』。小芝さんの熱演はもちろん、ラジオの果たすべき役割と可能性にも言及した素晴らしい最終回でした。

放送日・あらすじ

放送日

2023年6月9日(金)23:15~テレビ朝日系列で放送

あらすじ

www.tv-asahi.co.jp

配信状況はこちらを参考にしてください

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感想

冒頭のナレーション

アニメ版声優の杉山里穂さんでした。

ミナレの悩み

冒頭はミナレの夢からスタートしました。

エヴァの最終回みたいな感じでしたね。

ミナレは周囲に流されるまま生きていて夢や目標を持ち合わせていません。

ラジオだって麻藤に無理矢理誘われたから始めただけで彼女自身がやりたいからやっているわけでもないし、いつまでも続けたいわけでも、いつ終わるかもわからない状態なんですね。

母親がお見合いの話をもって上京してくるのはありきたりな展開ですが、ミナレの人生の岐路・ラジオパーソナリティとしての覚悟を問うための自然な設定でした。

地震

そんな中発生したのが地震です。

M6.3ということで壊滅的な被害を受けたというわけではないけど、深夜だし余震もあるし停電すると暗闇の中で心細いという感じでしょうか?

このドラマの舞台が千葉県北西部だということは最終回にして初めて知りました。

下のリンクの説明だと必ずしも震源地に近いからと言って停電するわけではないようですが、舞波は舞浜っぽいし、千葉県には火力発電所も多いし、千葉県なのでしょうね。

2月13日、なぜ東京エリアで停電が起こったのか?~震源地からはなれたエリアが停電したワケ|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)

ラジオの役割

ドラマ内ではラジオの持つ地域密着という特性や、普段のパーソナリティが語り掛けることによる安心感がラジオの強みとして紹介されていました。

ラジオはなぜ災害時に強いのか? テレビとは違う“ラジオならではの特性”とは | 無料のアプリでラジオを聴こう! | radiko news(ラジコニュース)

上のリンク先には他にも情報の双方向性、編成の変更が簡単なことなどが利点として挙げられています。

セリフとして明言こそされていませんが、ドラマ内で描かれた内容はこれらの特性にも即していましたね。

 

この地震による緊急放送の描写は最終回として完璧でした。

非常事態ゆえに自分の能力を超えた初めての困難に挑戦し、それぞれが今できるベストを尽くすという展開はアツかったです。

主要なキャラクターがすべて登場し、自分の持ち場で頑張る姿、その中心にいるミナレの姿には胸を撃たれました。

このドラマを観ていて不満だったのは主人公以外のキャラクターが放置されていて、深く描かれていなかった点でした。

しかし、最終回はこれまでさほど活躍しなかったキャラクターもまるで一つのチームのように自律的にイキイキと動いている様子が見られたので、その不満の何割かは解消されました。

小芝さんもかなりの長回しにチャレンジされていました。

こういう役者とキャラクターのシンクロ具合がそのまま熱量として伝わってきますよね。

星空

暗闇の中で不安に押しつぶされそうな状況というのは冒頭のミナレそのものなんです。

そういうミナレだからこそ不安なリスナーの気持ちに寄り添えたのかもしれません。

ラジオ局に向かう道すがら見上げた空に輝く星は暗闇にいたからこそ気付いたものです。

ミナレのラジオパーソナリティとしての覚悟、誰かに伝えることの楽しさと大切さ、そういったものにミナレが自覚した象徴的な表現でした。

シセル光明

結局シセル光明の正体は分かりませんでしたが、母親の口調やワードセンスからなんとなく「この人がシセル光明なのかも」と思わせる塩梅が良かったと思います。

おわりに

最終回にやるべきことをすべてこなした完璧な回だと思います。

親子愛が若干ウエット過ぎるかなとは思いましたけど。

全編を通した感想は別に書きたいと思います。