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ラストマン第4話~かなり完成度が高い

 

 

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放送日・あらすじ

放送日

2023年5月14日(日)21:00~TBS系列で放送

あらすじ

www.tbs.co.jp

 

配信状況はこちらを参考にしてください
ラストマン-全盲の捜査官- - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

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感想

事件の経過その1 不審死

今回はとにかく完成度が高かったです。

ジョギング中に皆実が遭遇した急病の男の「刺された」という言葉が事件のきっかけになります。

「刺された」といえばナイフを想像しますが、外傷がなくちょっとした違和感が残るようになっているんですよね。

 

その後男が外務省の職員で公安の内偵調査を受けていたことや、同じ”狼の紋章”が遺されていたことから巨大な陰謀がうごめく連続不審死事件として捜査が進んでいくんです。

結末を知ってからこの展開を振り返ると本当に面白いですよね。

この痴漢撃退スタンプの存在を知らなければ確かにそう見えますからね。

似たような商品がシャチハタから500個限定でテスト販売されたようです。

4年前に発売されてその後音沙汰がないということは何か問題があったのかもしれません。

実用性なのか、証拠能力なのか、課題は多そうな商品です。

 

日本の解剖率の低さについては時々指摘され、ドラマにも登場します。

最近だと『アンナチュラル』が有名です。

www.tbs.co.jp

事件の経過その2 痴漢冤罪被害者の会

凶器が痴漢撃退スタンプに仕込まれた毒針だと発覚した後はすんなり進んでいきました。

今回唯一理解が難しい箇所が「なぜ痴漢冤罪被害者の会が痴漢撃退スタンプを配布しているのか?」という点でしたが、護道(大泉洋)が的確に質問していたのでストレスはありませんでした。

要は痴漢を憎む気持ちは一緒ということですね。

 

ここで事件は何者かがスタンプに毒針を混入した無差別テロに転換します。

この展開も自然でした(ただ、実際にああいうグッズを入手したら、私なら自分の手で試し押しをすると思いますが……)。

この部分にも不満はないんですけど、実際に痴漢の冤罪で苦しんでいる人もいることは頭の片隅に置いておいたほうが良いかもしれません。

事件の経過その3 生存者

今回はさらにもう一度転換します。

被害者が生存したことで、被害者が全員集団痴漢グループのメンバーだったことが判明します。

こういう事件は実際にあるみたいですね。

【衝撃事件の核心】集団痴漢の合言葉は「1902」…埼京線の先頭車両に集まった卑劣な男たち(1/3ページ) - 産経ニュース (sankei.com)

 

被害者に関連があることが発覚した時点でほぼ犯人は特定されます。

しかし、おとり捜査への場面転換がスムーズで気になりませんでした。

 

今回の皆実の超能力は聴覚でしたね。

走行音もある電車のなかでスマホのバイブレーションが発するわずかな音で犯人の位置を特定していました。

 

痴漢と犯人の二人を取り押さえなければならないので若干ごちゃごちゃした印象はあります。

吾妻(今田美桜)が身を挺して痴漢を守ったところも、被害者から正義を行使する警察官へと脱皮したことがわかる良い展開でしたね。

オチ

真鍋(伊藤歩)は自殺した夫の冤罪に復讐するために凶行に及んでいたようです。

ただ、残酷にも夫は冤罪どころか集団痴漢グループのメンバーだったことが明かされます。

かなり意地悪で強烈な脚本です。

伊藤歩さんには個人的に『昼顔』の時のイメージがあるのでぴったりでした。

 

護道の言った「痴漢と同じ、人を不幸にする行為でしかなかった」というセリフはいまいちよくわかりませんでした。

 

「羊だと思ったらヤギだった」というのは、紙を食べた真鍋をヤギに例えるという意味と、犯人が被害者(羊)でも痴漢(狼)でもなかったという2つの意味があります。

吾妻の過去

吾妻は陸上部の有望なアスリートだったのに盗撮被害に遭い断念したという過去があったようです。

こういう事件は最近になってよく取り上げられています。

ただ、走りたかっただけなのに…アスリート盗撮被害の実態 | NHK | WEB特集

性的盗撮は「撮影罪」に 弁護士ら、法相に新法の早期成立要望 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

こういう社会問題をテレビドラマで取り上げることは意義深いですが、終盤にセリフで処理するだけなのはもう少し工夫がほしいです。

『風間公親』でも似たようなシーンがありました。

ノルマをこなしているだけのように感じるんです。

 

吾妻と皆実の関係性も明かされていました。

ここも皆実にファンレターがたくさん届けられ皆実が目を通しているのが伏線になっています。

その多くが点字で書かれたものではないというのは、吾妻の想いの込められた点字の手紙と対比されているのかもしれません。

 

ドラマの最初と最後が皆実と伴走する吾妻なのもいいですね。

足取りの軽やかさや表情、声のトーンが対比的に描かれていました。

このドラマの面白いところは、皆実が視覚障碍者だから感じ取ることができるとされている心の機微を視聴者も感じ取れるところなんですよね。

伴走練習会に突撃!パラ陸上の立役者「伴走者」とは!? | TEAM BEYOND | TOKYO パラスポーツプロジェクト公式サイト (para-sports.tokyo)

まとめ

事件が二転三転する展開が自然で、題材も時事問題をたくさん取り入れています。

キャラクターの成長や交流も挟み込んでいてかなり質の高いエピソードでした。

これまでのエピソードの中でも群を抜いていますし、他のドラマと比べても別格です。

最後に痴漢対策を紹介したページのリンクを貼っておきます。

痴漢対策|女性の防犯対策・防災対策|セコム (secom.co.jp)

着信音を鳴らすというのはすぐに使えそうですし、どれも納得感があります。