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2024年大河ドラマ『光る君へ』第7話が放送されました。従来の平安時代のイメージとは異なる活動的な貴族の様子が描かれており、知的な興味をそそる内容でした。同時に身分差という障壁があらゆる場面に登場し、当時の息苦しさや不条理も描かれています。
放送日・あらすじ
放送枠
NHK 日曜日 20:00~
放送日
2024年2月18日
公式サイト
基本情報
原作
ありません
脚本
大石静
キャスト
多すぎるので省略します
相関図はコチラ↓
大河ドラマ「光る君へ」 全体相関図 - 大河ドラマ「光る君へ」 - NHK
感想
身分をめぐるあれこれ
今回は身分をめぐる話で統一されています。
まず、盗賊を射た生々しい感触を語る道長に同僚が「盗賊なんて獣以下だ」と語ります。
兼家は安倍晴明を「人を殺めるのは卑しいもののすることだ」と蔑みます。
参議たちの会議は亡くなった忯子に皇后の位を追送するかどうかを巡るものですし、「位の下の者から発言せよ」とここでも位が意識されています。
藤原実資は義懐に追い越されたことに腹を立てています。
そして最後に打毬を終えた4人が女性たちを身分で品定めします。
まぁ、平安時代ですし、これまでも身分や位について語られているので今回だけが特別ではありませんが、まひろと道長を隔てる壁が強く意識されました。
忯子の死
花山天皇は完全にやる気をなくし、義懐に丸投げするようになりました。
義懐は自身が権勢をふるうことに興味があるだけのようで、花山天皇のことを思ってはいません。
そして、為時も兼家に雇われたスパイです。頼れるものがいない彼の苦悩と孤独が色濃くなってきますね。
気になるのは兼家の態度です。
義懐の無謀な提案にも「先例が見つかればいいんじゃない?」って言ってますし、為時にも「今まで悪かったね。お疲れ。」みたいな感じでした。
何か企んでいるのか、呪詛をかけて人の恨みをかったことで弱気になっているのか、次回動きがありそうです。
散楽
まひろが考えた散楽は神のふりをする狐とその狐に翻弄される猿というものです。
虎の威を借る狐みたいな内容でしたね。
右大臣家を揶揄しているそうなのですが、どのあたりが風刺に当たるのかよくわかりませんでした。
「位階なんていう価値のないもののために媚びへつらう貴族の卑しさ」ってことかな?
道長への思いを断ち切るためにあえて道長一家を批判的に描いたのかもしれません。
結局そのことがあの地に騒動を招き、さらに道長に惹かれていくことになるんですけどね。
自分が作った脚本で観客たちが笑っている様子を眺めるまひろには、クリエイターとしての喜びにあふれていて印象的でした。
道長は自信が揶揄されているのに「私も見てみたかった」と発言しています。
まひろへの思いやりからの言葉かもしれませんが、道長は身分や出世に取りつかれた自分のことを滑稽に思っているのかもしれないですね。
第7話のタイトルは『おかしきことこそ』です。
これは直秀の「おかしきことこそめでたけれ」を受けてまひろが制作した散楽のことを指していますが、今回の話の中で散楽が占める割合ってそれほど高くないですよね。
単に「まひろが面白いものを作りました」というだけでなく、道長とまひろの根底に「おかしきことこそ」という価値観が流れているという意味なのかな?と思いました。
道長には面白いものを素直に面白いと笑える庶民の素朴さへのあこがれがあるのかな?
打毬
平安時代に限らず、当時の人々がスポーツに興じる様子を大河ドラマ見たことがあまりないのでとても新鮮でした。
貴族といえば、毎日和歌を詠んでいるみたいなイメージがありましたが、道長は弓を射ていますし、結構活動的な貴族の描写は毎回面白いです。
しかも、ペルシア発祥の協議がシルクロードを通じて日本にまで到達していたという壮大さにはロマンの感じます。
そういえば、実資も蹴鞠していましたね。下手でしたけど。
会社の愚痴を妻にぶつけるお父さんって感じで親近感がわきました。
突然の腹痛で代役を探してくるのは草野球みたいでしたね。
道長は「最近見つかった弟」と言っていましたが、馬を乗りこなせる上に貴族の中に混じっても違和感のない直秀は高貴な出自なのでしょうか?
ロッカールームでの会話
その後ロッカールームでの着替えと会話は学園ドラマのようでした。
「桔梗だけを呼ぶと角が立つからあの女も呼んだ」とか、「桔梗も遊びで、結婚するのは身分の高い女」とか、男たちの本音があふれていて、まひろは改めて身分の差を痛感します。
斉信に招待されて鼻高々だった桔梗の様子も気の毒に思えてきます。
こういうシーンって現代を描いたドラマでもよく登場しますよね。
面白いのはこの場に直秀という偽物がいることです。
これもドラマ的によくあるべたな展開です。
『やまとなでしこ』とかに近いですよ。
身分で相手を見る男女の中に、本質を見透かすまひろや直秀が混ざっている状況が面白いです。
直秀もきっと疎外感を感じているはずで、三角関係の構図がはっきりとしてきます。
さらに直秀の正体に道長が気付いたことで、いろんな思いが錯綜することになりそうですね。
おわりに
今まで見たことのない平安時代を見せてくれるので毎回楽しめています。
直秀が退場しそうな気配がありますが、どうなるのでしょう?