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光る君へ【第5話感想】

 

 

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2024年大河ドラマ『光る君へ』第5話が放送されました。母を殺されたというまひろが変え続けていた苦しみを道長が共有し、道長が権力闘争に身を投じる準備が整いました。幼少期から続く第一章の最後は月の光が印象的な回でした。

 

放送日・あらすじ

放送枠

NHK 日曜日 20:00~

放送日

2024年2月4日

公式サイト

大河ドラマ「光る君へ」 - NHK

基本情報

原作

ありません

脚本

大石静

キャスト

多すぎるので省略します

相関図はコチラ↓

大河ドラマ「光る君へ」 全体相関図 - 大河ドラマ「光る君へ」 - NHK

 

感想

母の思いを語る人々

前回五節の舞の際に母を殺した道兼を目撃したまひろ(吉高由里子)は三郎と道兼が兄弟であることを知り思い悩みます。

寝込むまひろのもとに祈祷師が訪ねてきて、巫女が母の霊を降ろして語り始めました。
また、父は「ちはやもきっとそれを望んでいる」と弟のためにすべてを忘れるようにまひろを説得していました。
この二人に共通しているのは死んだ母の存在を持ち出している点ですね。
今の感覚からすると死者への冒涜のようにすら感じてしまいます。
父は母が官職を得るためにお参りしていたことを知りませんでしたし。

そんな中、まひろは母を象徴する琵琶を弾いていたのは、思い出の中の母と対話していたのでしょうね。

父はまひろが道兼を恨んでいると思っているようですが、まひろの悩みは恨みにとどまらず、彼女自身の罪の意識にまで及んでいることが後で発覚します。
「禍福は糾える縄の如し」じゃないですけど、因果をたどっていけば「二人が出会わなければ」ってところに行きついてしまうんですよね。

運命のいたずらを強く感じる回でした。

やる気満々の花山天皇

花山天皇が関白たちを軽んじ、新しい政治を志したことで権力闘争が生まれます。
先例にとらわれない彼の政治手法は荘園の整理など既得権に挑戦するものを含んでいます。

さらに帝がまだ若いこともあって、長期政権の可能性が高まりはじめます。
侮っていた相手が実はやり手かもしれないという展開は面白いです。
帝の在位が伸びると東宮が帝になるチャンスも遠のきますし、帝に子供が生まれると権力基盤も崩れてきます。

まぁ、でも花山天皇は貴族全体を敵に回してしまったのがまずかったかもしれないですね。
各個撃破なら勝てる可能性があったかもしれませんが、強引な手法の前に貴族たちが結集してしまいました。
その対抗手段が呪詛なのが面白いです。

今回は特に「家の繁栄のため」という行動原理がはっきりしている兼家の気味悪さが際立っていました。
呪詛を信じているのか信じていないのか、よくわからないあの感じがリアルです。

そういえばどうして兼家は道兼の凶行をどうやって知ったんでしたっけ?

次世代

もう一つ花山天皇の影響で道長たちの世代にも出世争いの種がまかれました。
道長はもはや単なる三郎ではなく権力闘争の渦の中に引き込まれています。
「なるようになる」と考えていた道長でしたが、その結果が道兼の凶行ですし、自ら運命を切り開く生き方に変わっていくのかも。
倫子(黒木華)との政略結婚も近づいているようです。

まひろの告白

お互いの身分を明かし、あの日に何があったのかすべてを打ち明けたことで、二人の間にうそや隠し事はなくなりました。

今回で第1章が終了した感じなのかな?
ここからしばらくは権力に上り詰めるふたりの話が始まりそうです。

直秀は身分に対して批判的で義賊のようなことをやっていますが、その一方で無力感を感じているようです。
この直秀の態度が運命を自らの手で切り開こうとする二人と対比されそうですよね。

「一族の罪を詫びる」という言葉に藤原家の人間として生まれてきた業のようなものを受け入れる決意を感じました。
「藤原家に生まれた以上、上を目指すことを宿命づけられてる」という父の言葉の意味を始めて痛感したのだと思います。
だからこそ激高する道長に兼家は感心したのでしょうね。

ただ、史実の中では道兼より道隆やその子の伊周のほうが道長のライバルっぽいですし、どのように描くのか気になります。

その他

藤原道綱親子が登場しました。
兼家の子ではあるものの、3兄弟とは母が異なり出世争いとは無縁のようです。
兼家の近くにいて部外者でもある彼の視点は面白そうです。
今後どのように絡んでくるのか楽しみですね。

藤原行成は三蹟といわれる書の名人です。
そんな彼の提案を断り自分で手紙を書いたのはまひろに対して噓をつきたくないという思いの表れだったのでしょう。

おわりに

次回清少納言が登場するようです。
まだ一条天皇が即位していないので深くストーリーに関わることはなさそうですが、平安時代の雅な文化が取り上げられそうですね。