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春になったら【第5話感想】

 

 

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木梨憲武さん、奈緒さん出演ドラマ『春になったら』第5話が放送されました。人間は仮にそれが迷惑ではないとしても自分のエゴを貫き通せない生き物であるということが各キャラクターの行動を通して描かれています。相手を思うがゆえに迷宮に迷い込んでしまう人間の心の機微がよく描かれた素晴らしい回でした。

 

放送日・あらすじ

放送枠

フジテレビ 月曜日 22:00~

放送日

2024年2月12日

公式サイト

春になったら | 関西テレビ放送 カンテレ

基本情報

原作

ありません

脚本

福田靖

キャスト

椎名瞳(奈緒)
椎名雅彦(木梨憲武)
岸圭吾(深澤辰哉)
⼤⾥美奈⼦(⾒上愛)
黒沢健(西垣匠)
神尾まき(筒井真理子)
杉村節子(小林聡美)
川上一馬(濱田岳)

相関図はコチラ↓

CHART | 春になったら | 関西テレビ放送 カンテレ

感想

本心と裏腹な行動

今回の登場人物たちの行動には共通点があります。

それを象徴的に表しているセリフが美奈⼦(⾒上愛)の言葉です。
「相手に好きな人がいることを知っていて、自分の気持ちを伝えるのはエゴだと思う?」と質問します。
「エゴじゃないよ」と言われたものの「でもそれができないんだよね。」と答えてしまいます。

エゴを貫き通すことの難しさ、相手のことを考えてしまう人間の性が今回のテーマだと感じました。
一見エゴを貫き通しているのように見える行動ですら実は相手のことを慮っているという構図がたくさん登場しましたよね。

また、産後社会から孤立する不安を抱え鬱の一歩手前まで追い詰められていた女性は周囲には明るく振舞っていました。

人は本心とは異なることを口にし、異なる行動をとることも同時に示唆されています。

父・雅彦(木梨憲武)

彼の行動を客観的に見れば残り少ない人生を自分のことだけを考えて生きようとしています。
圭吾(深澤辰哉)に葬儀の話をぶしつけにしてみたり、病気のことをいまだ会社に黙っていたり、ある意味自分勝手です。
しかし、彼の本心は姉や会社の後輩を含む周囲への心配であり、彼を突き動かしているのは特に残される娘への心配なんですよね。

ちょっと余談になりますが姉との会話で不意に湿っぽくなるシーンはよかったですね。

彼はカズマルに「芸人をやめろ」と言っていましたが、心の内では応援していて、何より娘がカズマルに芸人を続けてほしいと思っていることに気づいて代弁していたんです。
彼にとって娘の誕生は人生最大の出来事で、彼女の幸せこそが彼の幸せなんですね。

カズマルくん

彼もまた「結婚式を取りやめたい」という瞳の言葉が本心でないことに気づき、雅彦に認めてもらうために芸人をやめ結婚を急ぎます。

途中圭吾と衝突するシーンもありましたね。
あのシーンでは圭吾が瞳の気持ちを代弁していて、「あなたの良識を疑います」とまで言われてしまいました。
しかし二人とも瞳のことを思っての行動ですし、それこそが瞳の抱える板挟みなんですよね。
「僕は普通だからです」というせりふに「あなたは瞳にとって特別です」という意味を読み取るのは強引でしょうか?

上にも書いたように瞳はカズマルに夢をあきらめてほしくないとも思っており、父・カズマル・瞳の間に三角関係が生まれます。

龍之介の家出

龍之介もカズマルに心配をかけまいと振舞っていたようですが、子供であるがゆえに耐え切れず家出をしてしまいます。
「誰かの足かせになりたくない」というのはあの場にいる誰もが思っていることでした。
そして誰かに相談することができずに突然行動に移すというのもほかの大人たちもやっていることなんです。
誰かの幸せを邪魔したくない、誰かを幸せいしたいからこそとった行動がかえって衝突を招くという「エゴを貫き通せない」人間の悲しさがうまく表現されていました。

「今まで通り、それぞれ自分の幸せだけを考えればいいじゃないか?」と言われても「それはできない」相談なんですよね。

おわりに

多少私が強引に曲解している部分もあると思いますが、とても素晴らしい脚本でした。
「葬儀の期日は決まっていない」なんて当たり前のことを言ってのける雅彦は、笑えるような悲しいような絶妙な温度感でした。