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フェルマーの料理【第5話感想】

 

 

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高橋文哉さん、志尊淳さん出演ドラマ『フェルマーの料理』第5話が放送されました。蘭菜の母親が料理人を辞めた理由を紐解くことで料理の変化と時代の変化という視点で女性の地位向上、新しい時代への期待を描いていました。一つのエピソードとしての完成度が高いです。

 

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 金曜日 22:00~

放送日

2023年11月17日

あらすじ

あらすじ|TBSテレビ 金曜ドラマ『フェルマーの料理』

配信状況は公式サイト、またはこちらでご確認ください↓
フェルマーの料理 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

基本情報

原作

小林有吾『フェルマーの料理』

 

脚本

渡辺雄介/三浦希紗

キャスト

主要人物
北田岳(高橋文哉)数学に人生を捧げてきた数学少年。
朝倉海(志尊淳)二つ星レストラン「K」のオーナーシェフ。
赤松蘭菜(小芝風花)前菜を担当。
乾孫六(板垣李光人)コミ。
王明剣(朝井大智)スープ担当。
ダビド・サロ・ペーニャ(フェルナンデス直行)魚料理担当。
ジャン・ジョルダン(ジュア)デセール担当。
布袋勝也(細田善彦)スーシェフ。
福田寧々(宮澤エマ)給仕長。
魚見亜由(白石聖)岳の高校の同級生
西門景勝(及川光博)岳が通う高校「私立ヴェルス学園」の理事長。
北田勲(宇梶剛士)岳の父親。

相関図はコチラ↓

相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『フェルマーの料理』

感想

女性の地位

このドラマのいいところは各エピソード単体としての完成度が高いことです。
今回は「時代の変化」というテーマで、統一感のある形でまとめられていました。

まず、前回から引き続き料理界での女性の地位の低さが中心的な話題となっています。
前回も星を獲得するシェフに占める女性の割合が異常に低いことや、厨房の設計すらも男性が使うことを前提としていることなど、女性を排除する仕組みが料理界に内包されていることが指摘されていました。
今回はそれに加えて、蘭菜(小芝風花)の母親(釈由美子)の過去を紐解く形で、女性シェフというだけで客離れが起きたり、妊娠したことでクビになるという理不尽な扱いも紹介されています。
そして、料理界における女性の地位向上を果たす役割こそ蘭菜の果たすべき役割であると結論づけられていきます。

料理の進化

例えばスポーツ界では、時折「松坂と大谷どちらの方が凄いのか?」であるとか「滅しとマラドーナのどちらが上か?」のようなスポーツ談議が行われます。
その世界に与えた影響などは別として、純粋にスポーツの技能だけを取り出して比較するとおそらく現役の選手の方が高いんですよね。
その競技自体のレベルが時代とともに向上しているので当然のことです。
逆に言えばそんなことで先人の偉大さは揺らぎません。

料理界でも同じなんだろうと思います。
母が料理人だったのは10~20年程度前ですから時代の変化からは取り残されています。
そもそも母親の料理の才能が海と比べてどうなのかという問題もありますけどね。

母に象徴される全時代の呪縛を自らの力で解き放ち新しい時代を切り開こうとする蘭菜には説得力がありました。

登場した料理

今回は二つの料理が登場します。
一つ目は仔羊です。
以前はなかなか手に入らなかった仔羊肉も今では流通の変化によって一般家庭でも手に入るようになっています。
仔羊に限らず冷凍技術の発展の影響は大きいでしょうね。

もう一つはフレンチトーストでした。
元々古くなったパンを美味しく提供するために卵液につけて焼いていたのが今ではスイーツとして提供されている。
こちらは技術の進化というよりは価値観の変化、美味しいものは浸透していくという例ですね。

この二つの例から「時代によって料理が変化していく」ことは納得できるのですが、二つを組み合わせる意味はよく分かりません。

数学的帰納法

今回登場した数学の要素は数学的帰納法です。

【数学的帰納法】証明法を例題でわかりやすく(不等式など) | 理系ラボ

n=kのときn=k+1が成り立つことを証明すれば常に成立することを証明できるというのが数学的帰納法らしいです。
でも何を証明しようとしているんでしたっけ?
何がnで何がkなのかちょっとわかんなくなっちゃっいました。

時代が変化し料理が変化していくことが証明されたのかな?
変化を加えてもおいしいということは料理は無限の可能性を秘めているということなのかな?
でも常に成立するとしたら蘭菜が先頭に立って時代を変えていく必要もあまり感じないんだけどなぁ。
「変える」ことと「変わる」ことが一緒になってる気がする。

単純に「時代は変わっていくし、変えていきたい」ってストレートに言ってくれた方が分かりやすいんですよね。
多分漫画で読めば、そのページでじっくり手を止めて考えることもできるのでしょうが、映像になると流れてしまうという欠点があるのかもしれません。

料理人を続けられない秘密

海の秘密が徐々に明かされつつあります。
これまでもタイムリミットがあるような描写がありましたし、2024年の海の不在はこの秘密が関連しているのかもしれません。
闇落ちした岳は数学の証明に憑りつかれて破滅していく数学者のイメージのようですね。

おわりに

袖をまくったり戻したりする孫六(板垣李光人)が面白かったですね。
あれは彼が腕の筋肉を異性にアピールする際の行動であることが以前説明されています。
蘭菜の母が総菜を買っているのがちょっとだけ映るのも良かったです。

馴れ合いの空気感が次回壊されるようですね。