本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。
杉野遥亮さん出演ドラマ『ばらかもん』は書道家として凡人と天才の岐路に立たされ、挫折しかけている主人公が五島列島の人々との交流を通じて再生していく物語です。第1話では立ちはだかる壁を乗り越える楽しさが子供の視点から語られました。
放送日・あらすじ
放送日
2023年7月12日(水)22:00~ フジテレビ系列で放送
あらすじ
ばらかもん | ストーリー - フジテレビ (fujitv.co.jp)
配信状況はこちらをご確認ください↓
ばらかもん - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ
基本情報
原作
ヨシノサツキ 『ばらかもん』
コミックシーモアはコチラ↓
ばらかもん1巻 | ヨシノサツキ | 無料漫画(マンガ)ならコミックシーモア (cmoa.jp)
脚本
阿相クミコ 『マルモのおきて』を手掛けています。
主題歌
Perfume『Moon』
キャスト
半田清舟(杉野遥亮)書道界の家元の後継ぎ。
琴石なる(宮崎莉里沙)小学1年生。
久保田育江(田中みな実)七ッ岳病院に勤務している看護師。
山村美和(豊嶋花)勝気な中学2年生。
新井珠子(近藤華)漫画家志望。美和の友達。
木戸裕次郎(飯尾和樹)七ツ岳の郷長。
木戸朋子(山口香緖里)郷長の妻。
木戸浩志(綱啓永)郷長の息子。
八神龍之介(田中泯)書道界の実力者。館長。
神崎康介(荒木飛羽)書道家。
川藤鷹生(中尾明慶)半田の友人。
半田清明(遠藤憲一)清舟の父。
相関図はコチラ↓
ばらかもん | 相関図 - フジテレビ (fujitv.co.jp)
感想
子役について
このドラマは子役の宮崎莉里沙さんが準主役と言ってもいいぐらい、かなり重要な役割を担っています。
こういう子役が全面に出てくるドラマって、観ていてキツイものがあったりしますが、本作は何の問題もなく観ていられます。
役柄が常に快活で明るい女の子だからかもしれません。
他にも『ちひろさん』にも出演していた豊嶋花さんなど、島の人々を演じている俳優さんたちが凄く良いです。
親切な人しかいない素敵な島って感じがバシバシ伝わってきます。
「この島に行ってみたい」と思えた時点で私は満足です。
ベタなストーリー
都会で挫折した若者が田舎での暮らしや島民たちとの交流を通して自分にかけていたものを見つけていくというストーリーはベタです。
しかも主人公は書道家で「道」を究める人です。芸術家特有の型と個性の葛藤はこれまたベタですよね。
ほとんどの視聴者は芸術と無関係な生活を送っているでしょうから、彼の悩みは遠くの方にあり、自分の人生と接点がありません。
少なくとも私が主人公のような悩みを抱えることは一生ないでしょう。
その結果、どこまでいっても他人事なのでそれほど身につまされないというか、安心して観ていられます。
それに、重苦しくなりそうになっても子供たちが登場してそれまでの流れを切ってしまうので、それほど深刻にはなりません。
精神衛生上非常に良い、快適な作品です。
ドラマって視聴者に興味を持ってもらおう、共感してもらおうと思って作っているせいか、視聴者に身近な話題が多いですよね。
前のクールなんか結婚を扱ったドラマばかりでした。
そんな中、物理的にも心理的にも遠くでおこっている出来事で構成された本作のような作品は貴重ですね。
もちろん本作だって人間関係とか、仕事観とか、自分に引き寄せて鑑賞することだって可能ですが、私はもっと気楽に観ようと思います。
主人公の清舟が出会った第一村人が「海が綺麗に見えないのは心が荒んでいるからではなく、午後から曇るからだ」と言うんです。
この温度感が好きですねぇ。
でもその後に「心が荒んでいるときにこそ海を見るんだ」って続くあたりが説教感がなくて心地いいです。
主人公の悩み
こんな書き方をすると中身が無いドラマのように思われるかもしれませんが、実は結構主人公の抱えている悩みは深刻です。
そして、このドラマは漫画原作であることを踏まえると、原作者の抱えていた悩みが投影されているのでしょう。
私にこそ関係のない悩みですが、芸術家ならだれでも共感するのではないかと思います。
芸術の分野では型を身につけることが重視されます。
清舟も手本に倣い基本に忠実な字を書いていましたが、「平凡でつまらない」と指摘されてしまいます。
自分でも自覚があるからそのことを指摘されて激高したわけで、実際島でどんなに自由に書こうと試みても手本通りにしかかけず倒れてしまいました。
芸術家としては本物になれるか凡人で終わるかの岐路に立ち(ほぼ終わりかけです)、個性という大きな壁が彼の前に立ちはだかっているんです。
子供の視点
そんな行き詰まった主人公に気付きを与えてくれたのは小学生のなる(宮崎莉里沙)でした。
自分の前に立ちふさがる壁を乗り越えようとすることが「楽しい」し、結局は乗り越えようとした者にしか見えない景色を見たいのか見たくないのかだ、ということなのでしょう。
悩み自体は解決しませんが、悩むことを肯定すること、乗り越えようとする気持ちを持つことのが第一歩なんですね。
凄くシンプルですんなり入ってきます。
押しつけがましくなく、ポジティブな気持ちにあふれる共感が本作の魅力ですね。
与えられるだけではない
清舟は島の人々に影響されて、徐々に欠けていたものを取り戻していくのでしょうが、島民の側も清舟から良い影響を受けています。
一方向ではなく、双方向なのが良いですね。
初回はひろし(綱啓永)が努力することについて清舟から学んでいましたね。
おわりに
心の内をセリフで説明するシーンが結構多くてそこは気になりましたが、それ以外は楽しめました。
原作よりはかなり登場人物が整理されているみたいなので、原作ファンには多少不満があるかも。