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ばらかもん 【第8話感想】なるの父親(岡田義徳)登場

 

 

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杉野遥亮さん出演ドラマ『ばらかもん』第8話はなるが誕生日を迎え、父親(岡田義徳)が一年ぶりに帰ってきました。自ら名乗ることをしない不思議な親子関係に清舟が気を揉み、人と関わることを避けていた彼の生き方に変化が生まれました。

放送日・あらすじ

放送日

2023年8月30日(水)22:00~ フジテレビ系列で放送

あらすじ

ばらかもん | ストーリー - フジテレビ (fujitv.co.jp)

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キャスト

半田清舟(杉野遥亮)書道界の家元の後継ぎ。
琴石なる(宮崎莉里沙)小学1年生。
久保田育江(田中みな実)七ッ岳病院に勤務している看護師。
山村美和(豊嶋花)勝気な中学2年生。
新井珠子(近藤華)漫画家志望。美和の友達。
木戸裕次郎(飯尾和樹)七ツ岳の郷長。
木戸朋子(山口香緖里)郷長の妻。
木戸浩志(綱啓永)郷長の息子。
八神龍之介(田中泯)書道界の実力者。館長。
神崎康介(荒木飛羽)書道家。
川藤鷹生(中尾明慶)半田の友人。
半田清明(遠藤憲一)清舟の父。

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ばらかもん | 相関図 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

感想

このドラマの特徴

このドラマは毎回一つのテーマを描き切るということがなく、うっすら関連するお話だったり、島民の近況報告のような話だったりが盛り込まれます。
今回で言うと初回あたりで話題となった浩志(綱啓永)の進路の話が思い出したかのように語られ、そのまま右から左へ流れていきます。

「島の日常を描いているのだからすべてがドラマチックではない」ということなのでしょうか?
ゲームでいうところのストーリーの進行に影響しないサブクエストみたいなのが結構一杯あって、このどうでもいい話を「島生活を追体験している」と思えるかどうかで評価は変わってくるかもしれません。

浩志(綱啓永)の進路とケーキ作り

今回で言うと、浩志の進路とケーキ作りがどうでもいいお話です。
道に迷う浩志に「必要なのは確信じゃなくて覚悟だ」とアドバイスを送るのは良い話だし、かつて清舟がケーキ屋になろうとした動機に対しての「甘いものを制限されると、考え方まで甘くなるのか?」というツッコミは面白かったです。

各々がなるの好きな物を知っていて、梱包材や孔雀の羽など特徴的なプレゼントをしていたり、清舟も慣れないケーキ作りに奮闘したりで「なるを祝う気持ち」にあふれているのに対して、空港で毎年適当に買ってくる飛行機のおもちゃはどうなんだ?ってことなんだと思いますので全く無関係というわけでもないですけどね……。

なるの誕生日会と不審な男

見知らぬ不審な男性(岡田義徳)の正体が今回の一番のメインストーリーです。
彼がなるの父親であることは火を見るよりも明らかですので、視聴者の関心は「なるは目の前にいる父親をどのように捉えているのか?」、「なぜ父親なのに遠くから見守るだけなのか?」という点に集まります。

なるは父親は宇宙人だと聞かされていましたが、父親の正体にうすうす気づいています。
でも、気付いてしまうと父親が二度と現れなくなってしまうかもと気をまわし、観られていることに気付きながら大げさに飛行機で遊んでいたんですね。

父親がサンタクロースだと気付いた子供の態度に近いような気がします。
なるは「あなたがお父さんなんでしょ」とは口に出さず、必死にコミュニケーションを取ります。
缶蹴りを口実に胸に飛び込んでいますし、プレゼントのお返しと言ってこれまでもらった飛行機を返し、言外に「飛行機が欲しいのではなくてお父さんに会いたいんだ」と伝えています。

これまでの天真爛漫ななるとは違い、非常に大人な態度ですね。

一方の父親は、お父さんがいなくなったのと知らないおじさんがいなくなったのではショックの大きさが違うという理屈であえて名乗ることをしません。
彼の中のなるは未だに幼いころのままで更新されていないんですね。
それに、年に一回しか会えないのに父親を名乗ることがはばかられるのかもしれません。
分かるような分からないような理屈です。

この父親は少しでも演じ方を間違えると単なる親失格のろくでなしになってしまいますが、岡田義徳の雰囲気が絶妙で、実際にいそうな感じがするんですよね。
悪い人ではないっていうのも伝わってくるし良かったです。

それにしても郷長の奥さんとか、珠子の父親とかはどのようにこの不思議な親子関係を整理しているんでしょうね?

清舟の苦悩

微妙なバランスの上に成り立っているなるの親子関係に赤の他人である清舟はどこまで介入していいのか思い悩みます。

これまでの清舟の価値観は家族とそれ以外に分けられていましたが、島に来てその中間・「家族ではないが大切な人たち」というカテゴリができたんですね。

子供らしさって親がいるから成立する部分があって、親がいないと早く大人にならなければならず老成した部分が出て来たりします。
どっちが良い、悪いではないですけどね。
「もっと欲しいものを口に出せ」というセリフは、清舟はなるにとって赤の他人ではあるものの、父親の役割の一部を引き受けたということになるんじゃないかな?

清舟は手紙を送ることを提案し、父はそれを清舟に託していますしね。

発表会

小学校の参観日のようなものがとり行われました。
まず、なるが招待状を清舟に送ったところに意味があります。
冒頭で子供たちが口々に「わたしはお母さんにおくる」とか言っている時点でこうなることは予測できますが、清舟となるの間に特別な絆が生まれたことを意味しています。

またなるが書いた字が「父」だというのもいかようにでも解釈できますね。
清舟は父親ではありませんが「父」を教えることはできる「先生」だってことでしょうか?

周囲が「先生に習っただけあってお上手ですね。」と字の巧拙に言及している中、なると清舟には父という文字自体に意味があるっていう二人にしかわからない意思の疎通が別に存在するという演出も良かったです。

おわりに

今回はこれまでで一番重めの話でした。
清明との関係といい、作品全体に父と子というテーマがあるのかもしれないですね。

次回また東京に戻るみたいです。
あまり行ったり来たりされると島の特別感が薄れてしまうのでじっとしていてほしいです。

どうでも良いですけど、冒頭の大きなカブの劇のクオリティが高いです。みんな子役だからでしょうか?

関連リンク

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