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内容は面白いです。でもやっぱり引っかかる点が……。
放送日・あらすじ
放送日
2023年4月30日(日)21:00~TBS系列で放送
あらすじ
配信状況はこちらを参考にしてください
ラストマン-全盲の捜査官- - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ
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感想
基本構造
護道(大泉洋)が12年前に担当した事件に類似した手口の殺人事件が起こることで今回のストーリーは始まります。
犯人の青柳は既に出所しているので、青柳が再犯したのかどうかを巡って捜査が進み、その過程で護道の過去や生い立ち、人となりが明らかにされるという構成です。
このストーリー自体はよくあるタイプのものです。
論理的な結論
少し異なるのが12年前の護道の捜査には強引で違法な部分があり、青柳は冤罪の可能性があるという点です。
ここでの皆実(福山雅治)の説明が完結でわかりやすかったです。
- 12年前の犯行の特徴は犯人と捜査関係者しか知らない
- したがって、今回の事件の犯人は青柳か警察関係者(護道)のどちらかである。
- 青柳の初犯が冤罪であった場合、今回の事件も青柳の可能性はなくなり、護道の犯行である。
- (逆に言えば、今回の犯人が青柳であれば12年前の犯人も青柳である)
4番目のことは直接言ってませんがそういうことになります。
そして4番目を証明するために罠を仕掛けるんですね。
護道の見る夢
今回明らかになった護道の過去は今後もストーリーに絡んできそうなものでした。
実父が殺人を犯し、彼は警察一家の護道家に養子として迎えられたそうです。
皆実のプロファイリングは結構的確で、護道は自分の中に実父が代表する悪と護道家が代表する善の葛藤を常に抱えていて、善でありたいという思いから過剰な正義感を行使していたようですね。
古風な設定というか、どこか『カラマーゾフの兄弟』っぽいなぁと思いました。
冒頭護道の夢からスタートしましたが、これは現実と彼の抱える葛藤や不安が混濁し、まるで自分が殺人を犯しているかのような幻想に悩まされていたみたいです。
まぁ、護道が本当に犯人であるとミスリードされる人はいないと思いますが、怪しげな感じがして良かったと思います。
真犯人
こういう模倣した犯罪の場合、出所した犯人はシロであることが多いのですが、今回は違いました。
ストレートに怪しい奴が犯人でした。
暗闇からカツカツと白杖の音だけを響かせて、ソロっと皆実が登場するシーンはホラーのようでもありました。
皆実の格闘シーンは毎回入れるのかもしれないですね。
今回は杖で距離を測るという新技と射撃を披露しています。
あとはどんなパターンがあるんでしょうね。
結論がちょっと
おおむね楽しめたのですが、気になる点があります。
おそらく私が今から書く不満点は後々逆転し、解消されるのではないかと思います。
でもやっぱり1つのエピソードとして見た場合には気になるので書いておきます。
今回の結論って、「悪い奴は悪いに決まっている」という考え方を全面に出し過ぎてませんかね?
護道の過去の違法捜査はいつの間にか不問になっているし、極めて体制側で封建的な存在である護道家を善なるものの象徴にしているし、そこに血縁まで絡めているし、嫌な感じのストーリーですよね。
まとめ
そういえば、佐久良(吉田羊)と護道の過去も明かされていましたね。
皆実は声色から相手の感情を読み取ることができるという設定です。
ということは逆に言えば、俳優は声に感情を的確に反映させておかなければならないということですよね。
吉田羊さんの演技は自然でした。