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心とは何なのか?どこにあるのか?というベタな問いかけですけどそれぐらいで丁度いいのかもしれませんね。
放送日・あらすじ
放送日
2011年9月1日(木)22:00~フジテレビ系列で放送
あらすじ
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それでも、生きてゆく - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ
感想
文哉帰宅
スリッパをお客様のものだと言ったり、灯里によそよそしかったり、まるで家族の一員、しかも事件当時のままの家族の一員かのように振舞います。
こういうスリッパとかアイテムに意味を持たせるのが本当にうまいですね。
自分のことを恨まれんでいたんだろと心無い言葉を双葉に投げかけます。
双葉が兄のことを15年間信じて生きてきたことを知っている視聴者からすれば一番つらい言葉ですね。
挙句の果てに「死んだ人はいいよ、殺した方は生きてかなきゃいけないんだよ」、「お兄ちゃんかわいそうなんだよ」と同情を求めてきます。
このドラマのタイトルは「それでも、生きてゆく」であり、これまでそれぞれのキャラクターが死にたいほどの辛さを抱えながら生きているのを観てきました。
そのなかで文哉の発した「生きていかなければならない」という言葉は「死にきれなかったから」という意味を含んでいます。
父の帰宅
父が帰宅して文哉に初めて思いを伝えます。
文哉は母親を見殺しにした父を恨んでいるようですが、果たして本当に母が自殺したのかどうかは文哉の証言しかありませんから分かりませんね。
彼の犯行の原因はこの体験にあるみたいですが、なぜそれが犯行に向かうのかは不明です。
このシーンで双葉が寛貴に送ったメールが全てひらがななのも緊迫感があります。
洋貴との再会シーンはまるで中学生当時のように「久しぶり!」みたいな軽い感じなのが不気味です。
ナイフと冷凍ミカン
頭を打った洋貴の治療をしながらの双葉と洋貴の会話はその後の展開の伏線になっています。
ナイフは洋貴が抱えている文哉に対する復讐心の象徴です。
洋貴はそれを文哉に会うときにあえて置いていきました。
一方冷凍ミカンは洋貴の大好物です。
洋貴には復讐なんか考えずに好きなものに囲まれて生きてほしい。でも文哉は反省していないし責任能力がないと判断されればまた被害者を生むかもしれない。
このままだと誰かがやらなければならないけど、洋貴にはやってほしくないという矛盾が双葉の中にはあるんです。
これは五月と洋貴の会話の中でより明確に示されています。
復讐心を捨てきれない以上、双葉は洋貴と文哉のどちらかを失うことになり双葉を苦しめてしまうんですね。
五月さんは思っていたより良い人のようです。
双葉の決意
真岐の娘・悠里の言葉が泣かせます。
1週間点滴だけで何も食べていない母を心配して、あの点滴の代わりに母の好きなみたらし団子のたれをあげたらいいんじゃないか?という子供らしい発想には泣けてきます。
ここで真岐の父・五郎が発した「自分の手で殺してやりたいけど孫のことを思うとそれはできない」という話を聞いて双葉は決意を固めたのでしょう。
冷凍ミカンを置いてナイフをもって因島に向かうのが先ほどの会話を回収しています。
双葉がナイフを持ち出したことに気づくまで多少時間差があるのが良いですね。
単に別れを告げに来たかのように見せて双葉の胸の内には相当な覚悟があったことが後でわかるようになっています。
しかも「よっしゃ行くぞ」と、人を殺しに行こうとしているのに真岐の掃除前の掛け声で双葉の決意を示すっていうギャップが更にいい。
人体模型の話
今回の副題は「心はどこにある?」でした。
洋貴は昔人体模型を見ながら「心はどこにあるのだろう」と思ったことがあるといいます。
そして最後、双葉に残した留守番電話のメッセージで「心は大好きだった人からもらうものだ」と結論付けます。
「復讐することより大切なことがあると思えた」というのも五月との会話を受けていますし、ほぼ告白に近いですね。
今は心がないように見える文哉も誰かから心を受け取るのかもしれないですね。
まとめ
今回はネタをふって回収するという展開が各所に見られて濃密な回でした。ナイフと冷凍ミカンという象徴的なアイテムが登場し印象に残ります。