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それでも、生きてゆく第10話~因島へ

 

 

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因島に舞台が移りました。文哉が日向夏を育てていたのは因島を思っていたのかな?

放送日・あらすじ

放送日

2011年9月8日(木)22:00~フジテレビ系列で放送

あらすじ

www.fujitv.co.jp

 

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感想

響子と隆美

事件の後に生まれた灯里はこれまで文哉のことについてどこか他人事なところがありました。

しかし、文哉が再び罪を犯したことで、いわば正式に加害者家族になったんです。

週刊誌に目線が入った写真が掲載されているのは象徴的です。以前双葉も似たような写真を掲載されていましたね。

絶望的な気分の隆美と灯里でしたがそこに響子が訪れるんです。

隆美と響子は以前にも一度対面していましたが、その時はどうでもいい話に終始していました。

今回は腹を割って話し、互いに相手の家族を憎んで生きてきたことを正直に打ち明けます。

響子が被害者家族を恨むのは当然として、隆美の心境、「あの人には同情する人がいる、私には『死ね』という人がいる」という告白にはリアリティがありますね。

彼女も文哉とは血の繋がりがないという事情もあるかもしれません。

苦しんでいるのを知って「ほっとした」っていうのも絶妙な表現です。

響子に言う「同じ乗り物に乗っていて一生降りることはできない。じゃあ行き先を一緒に考えないと。」というセリフはオープニングタイトルの洋貴と双葉が同じ船の上に乗っている映像ともリンクしますね。

苦しみや恨みは消えなくても前に進んでいく、被害者家族と加害者家族の対話を描いた本作で最も重要なシーンの一つかもしれません。

因島

因島フラワーセンター  - 尾道市ホームページ (city.onomichi.hiroshima.jp)

いくら島とはいえ、因島は結構広いですから洋貴が双葉を見つけられるかどうかは置いておいて、村上を探すっていうのが面白い。

村上海賊 | 因島のおすすめ | いんのしま観光なび(因島観光協会) (kanko-innoshima.jp)

瀬戸内の島々には村上姓の人がいっぱいいるんでしょうね。

文哉

双葉の予想通り因島に来ていた文哉は母親の実家で写真を探します。

島では夏祭りが催されているというのがあの事件の日を連想させますね。

文哉の口から母の死ぬ前の言動や亜季を殺害するに至った経緯が語られました。

育児ノイローゼになった文哉の母は「あなたたちがいなければ」と言っていたといいます。

文哉が「あなたなんか生まれてこなければいいのに」という言葉に異常に反応するのはこのあたりにルーツがあるんですね。

死に対するあこがれのような感情もこの時生まれたんでしょう。

洋貴と双葉は文哉が自殺するつもりであるというのを聞きつけ捜索します。

放っておけば文哉は死に、すべてが解決するというのに洋貴は懸命に文哉を助けます。

復讐のために持っていたナイフを使って文哉を助けるシーンが象徴的です。

このドラマでは見て見ぬふりをすることで悲劇が増幅してきました。文哉を見殺しにすればそれは殺害したのとそんなに変わらないし、文哉と向き合う機会は永遠に失われます。

このあたりは文哉との対話の中ではっきりと語られていて、悲しいお話をそのままにしていたら悲しみが癒えることはないんですね。

続きを書き足すとか、朝日の美しさとか、ベタな内容ですが、洋貴が混乱しながらも伝えた内容は10話までの総括ともいえる内容です。

それだけに「ごはんまだかな」という文哉の言葉には絶望を覚えます。

マカロニサラダを笑いながら食べる洋貴の感情はどう解釈するのが正しいんでしょうね?

前回、洋貴は文哉に心がないなら話しても仕方がないのではないかという危惧を抱いていました。

彼なりに文哉を信じて精一杯問いかけて、期待を裏切られたわけで、「やっぱりそうだよな」っていう呆れのようにも感じられます。

まとめ

次回最終回を迎えます。文哉はとりあえず自首したし、あとは双葉と洋貴がどうなるかですね。