30インチで観ています。

映画やテレビドラマの感想を書いています

笑うマトリョーシカ(TBS・金曜10時・水川あさみ)第1話感想

 

 

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。

水川あさみさん・櫻井翔さん出演ドラマ『笑うマトリョーシカ』第1話が放送されました。誠実な政治家の裏の顔を暴くというよくあるストーリーのようで、秘書と政治家の奇妙な関係性と何度も反転する人物評価が見どころの作品のようです。

放送日・あらすじ

放送枠

TBS 金曜日 22:00~

放送日

2024年6月28日

公式サイト

金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』|TBSテレビ

基本情報

原作

早見和真『笑うマトリョーシカ』

脚本

いずみ吉紘
神田 優

キャスト

道上香苗 水川あさみ
東都新聞の記者。社会部から文芸部に異動。
鈴木俊哉 玉山鉄二
清家の政務秘書官。
清家一郎 櫻井翔
厚生労働大臣。未来の総理候補。

山中尊志 丸山智己
青山直樹 曽田陵介
道上香織 筒井真理子
道上兼高 渡辺いっけい
旗手健太郎 和田正人
佐々木光一 渡辺大

相関図はコチラ↓
相関図|TBSテレビ 金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』

感想

政治を扱ったドラマ

本作はテーマとして政治を扱ったドラマです。
最近でいうと草彅剛さん主演の『悪の戦争』や、ネットフリックスの『離婚しようよ』などが同じく政治を扱っていますね。
この2作と本作の(現時点での)大きな違いは、選挙に重きがおかれているか否かです。
やはり政治のクライマックスは選挙ですので、選挙を描くドラマが多い気がしますが、本作ではそこを描くわけではなさそうです。
政治という事象全体ではなく一人の政治家と秘書にフォーカスしたところが本作の特徴です。

二つ目の違いは主人公が政治家自身ではなく記者であるというところです。
そのため第1話を見た印象では、本作は『エルピス』や『新聞記者』に近いように思いました。
知っているようで知らない政治家の本質に切り込む作品になるかもしれないですね。

政治家に対するイメージ

「清廉でニコニコと理想を語る政治家でも裏では悪いことをやっているに違いない」というのが、多くの人が政治家や政治に対して共通するイメージだと思います。
そして、本作に登場する清家一郎(櫻井翔)は若手政治家のホープで小泉進次郎さんっぽい親しみやすさをもつ人物です。
そのため、見始める前は私は「清家には裏の顔があるという話なのだろう」と予想してみていました。
しかし、ふたを開けてみると「こいつはただの空っぽな男なのでは?」と気づくんですよね。
ここでさらに展開し、第1話の途中からは「実は空っぽなふりをしているだけで実は主体性がある男なのでは?」ってなるんです。
まさにタイトルの「マトリョーシカ」のように幾重にも入れ子構造になっていて、真実にたどり着けない感じが本作の魅力です。

鈴木についても同じことが言えて、新しく得られた情報によって人物の評価ががらりと反転するスリルが本作の面白さであり、メディアや世論の危うさなのかもしれません。

秘書

政治家に対して私たちが抱くもう一つのイメージとして秘書との関係があります。
「秘書がやりました」と、時には政治家の罪を背負わされることもあるほど濃密な人間関係ですが、我々がイメージするのは政治家が主導権を握った関係性なんですよね。
それに対して本作は、秘書のほうが主導的な役割をになっており、普通とは異なる力関係を描いています。
主人公・道上香苗(水川あさみ)が清家に興味を抱くきっかけは、秘書であり同級生であるにもかかわらず自叙伝に登場しないことへの違和感でした。
違和感があると言われれば確かにそうですが、後に秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二)が語る理由も一理あって、この糸口のおぼつかなささがとても面白いですね。

BG事件

清家と鈴木の関係をめぐり、カギを握る事件としてBG事件が登場します。
おそらくこの事件はリクルート事件がモチーフになっているのでしょう。

リクルート事件 - Wikipedia

政治家たちの罪を背負う形で消された父の復讐を果たそうとする鈴木と、政治家の私生児である清家の奇妙な人間関係がいかにして始まったのかが今後明かされることになるのでしょう。

エリック・ヤン・ハヌッセン - Wikipedia

良かった点と悪かった点

さて、第1話の個人的に感じた良かった点と悪かった点を書いていきたいと思います。

まず良かった点は、鈴木の有能さをメモの表記で示した点です。
ただ想定問答集を作るだけではなく、細かな答え方ニュアンスまでレクチャーしたメモは、彼が政治家の秘書として有能であることを示していました。
そして、そのメモを再現するかのような櫻井さんの受け答えも気味悪さを感じるぐらいよかったと思います。

もう一つは、つかみどころのない清家という人物の描き方です。
まず、この役には櫻井さん以外考えられないほどはまり役でした。
空っぽで主体性のない操り人形として登場する清家ですが、よくよく考えるとそこまで完璧に人形を演じられることが並外れた能力ですし、「主体性のない人間が総理候補にはなれない」という言葉にも頷けます。
道上が言った「親族里親」を早速会見で披露する行為は「多くの声に耳を傾ける」政治家とも評価されそうですが、彼が行うとあまりの柔軟性に異様さを感じてしまうんです。

里親制度を知る | 公益財団法人全国里親会

この二人の描き方が第1話の良かった点です。

逆に悪かった点は、事故のシーンを何度も使いすぎて、ショックが和らいでしまったことと、道上がしゃべりすぎだった点です。

おわりに

第1話でかなり多くの内容を説明している気がします。ここからさらに展開していくのか気になりますね。

とりあえず視聴は継続します。