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水川あさみさん・櫻井翔さん出演ドラマ『笑うマトリョーシカ』第8話が放送されました。記者としても矜持が語られたのですが、その描き方が中途半端であまり道上の境遇に共感できませんでした。清家のルーツについても今のところそれほど大きな問題とは思えません。
放送日・あらすじ
放送枠
TBS 金曜日 22:00～
放送日
2024年8月16日
公式サイト
基本情報
原作
早見和真『笑うマトリョーシカ』
脚本
いずみ吉紘
神田 優
キャスト
道上香苗 水川あさみ
東都新聞の記者。社会部から文芸部に異動。
鈴木俊哉 玉山鉄二
清家の政務秘書官。
清家一郎 櫻井翔
厚生労働大臣。未来の総理候補。
山中尊志 丸山智己
青山直樹 曽田陵介
道上香織 筒井真理子
道上兼高 渡辺いっけい
旗手健太郎 和田正人
佐々木光一 渡辺大
相関図はコチラ↓
相関図｜TBSテレビ 金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
感想
3つのテーマ
このドラマで描かれているのは主に
- 政治家清家一郎の本質と黒幕
- 道上の親子関係
- 記者としての矜持
の3つです。
基本的には一つ目の政治家清家一郎の秘密に迫るのが3つの中でもメインとなるテーマです。
しかし、作り手の側はむしろ残りの二つのほうに関心があるのではないか？と、第8話を見ていて感じました。
とはいえストーリーを追う上では清家一郎や浩子について触れないわけにもいかないので、さらっと感じたことを書いたうえで、残りの二つについて書きます。
清家の祖母
今回明らかになったことは清家一郎の祖母は中国にルーツがあるということです。
言われてみれば当たり前ですが、浩子が60代だという設定にもびっくりしました。
祖母は生きていれば90歳前後ということで、2024年が戦後約80年経過していることを考えると、彼女が抱いていた恨みは戦中戦後の混乱の中で生じたものでしょうね。
それが国家に対するものなのか、個人に対するものなのかはまだわかりません。
私としては、祖母が中国にルーツがあることや、清家の政治信条の根底には祖母の抱いていた恨みがあることがさほど大切なことには思えないんですよね。
人が成長する中で、親の影響を受けるのは自然です。
道上だって父の影響を多分に受けています。
それに清家は鈴木などとの出会いを通して、少しずついろんな人の影響も受けているわけで、ごく普通の人間のように思えます。
にもかかわらず「マトリョーシカ」を思わせる空虚さを持っているところが彼の特徴であり、その正体こそ知りたいのですが、それについてはよくわからないままなんですよ。
親子
第8話で多くの時間が割かれたのは道上の親子関係でしたね。
これまでも道上が仕事と子育ての両立と過去の失敗のトラウマに苦しんでいることは描かれていました。
「子供と向き合う時間を確保するために記者の仕事をセーブしなさい」という提案もこれまで何度も登場していますが、道上がそうしない理由について明確に答えたことはありませんでした。
今回記者としての矜持、事実を世間に知らせることの大切さや意義深さが彼女の口から語られています。
面白いのは、父から娘、母から息子へとその思いが伝えられていることですね。
清家の一家が恨みと復讐を受け継いでいることと対比されているのでしょう。
もうひとつ、かつて自殺未遂を図った柏木と偶然再会し、感謝を伝えられるという展開もありました。
自殺を図ったという事実はある中で「道上さんに救われた」と考える理屈はイマイチよくわかりません。なんとなく言いたいことはわかりますけどね。
よく考えてみると、取材対象から感謝されるから有意義な仕事とするのは、ついさっき出てきた父から伝えられたという報道の使命や公益性の話からズレませんかね？
「取材相手からの感謝が公益性より優先されるの？仮に恨まれても正しいと思ったら報じるべきなのでは？」と思っちゃいました。
道上に批判的な人間って、迷惑系Youtuberのような明らかにモラルのない人たちなんですよ。
道上の取材姿勢に対する正当な批判は出てきません。
彼女自身が過去の事件についてどのようにとらえているのかもよくわかりません。
ここがもっとシビアに描かれていれば、さらに良い作品になった気がするんですけどね。
おわりに
『大統領の陰謀』とか『ペンタゴンペーパーズ』、日本でいうと『クライマーズハイ』みたいな雰囲気の作品が個人的に好きなんですよね。
道上たちが何で稼いでいるのかもわかんないんだよな。セリフでは言っていたかもしれないけど。
