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目黒蓮さん・有村架純さん出演ドラマ『海のはじまり』第9話が放送されました。海の母親という人生を選ぶべきか思い悩む弥生のもとに過去の自分の言葉が思わぬ形で舞い込むというドラマチックな内容で、小田急経堂駅のホームが印象的でした。
放送日・あらすじ
放送枠
フジテレビ 月曜日 21:00~
放送日
2024年9月2日
公式サイト
基本情報
原作
ありません
脚本
⽣⽅美久
キャスト
月岡夏 目黒 蓮
百瀬弥生 有村架純
南雲海 泉谷星奈
月岡大和 木戸大聖
南雲水季 古川琴音
津野晴明 池松壮亮
南雲朱音 大竹しのぶ
相関図はコチラ↓
https://www.fujitv.co.jp/uminohajimari/chart/
感想
特別編
前回は特別編として津野君と水季の出会いと交流の様子が描かれていましたね。
大抵の場合、特別編といえばそれまでのダイジェストになりがちです(最近だと『教場』の特別編が総集編でした)。
基本的には一部新たなシーンが加えられて、キャラクターの回想として、ダイジェストを放送するパターンが多いですよね。
そんな中、このドラマは全く新しいストーリーが展開されました。
ひょっとしたらTVerなどで配信することを予定していたものかもしれないですけど、完成度も高く十分楽しめる作品になっていましたね。
私は個人的に本編単体で完結するほうが好きなので、サブスクでのオリジナルストーリーなどはあまり見ません。
そんな私からすれば、先週の特別編も「知らなくてもよかったかも」という感じは少ししています。
はじまりとおわり
さて、1週間空いたことで、本編のストーリーの記憶が薄れていたのですが、弥生が水季から送られたメッセージを読むべきか逡巡するというお話だったと思います。
手紙を読むということは母親を引き受けるということを意味しているわけで、彼女が読むことにためらいを感じている時点で悩みの大きさが伝わってきますね。
このドラマは『海のはじまり』というタイトルからもわかるように、出来事のはじまりを丁寧に描いています。
たとえば水季と夏の出会いにもかなりの時間を費やしていましたね。
そして同時に、前回の特別編がそうであったように、終わりについても丁寧に描いているんです。
何かが終わるということは何かが始まるということでもあり、何かが始まった陰には何かが終わっているということなのかもしれません。
今回は夏と弥生の出会いが描かれました。
印象的だったのは、弥生の子供に対する接し方が2度描かれている点です。
おそらく夏は弥生の子供に接する様子を見て「この人と家庭を築きたい」と夢想していたのでしょう。
その夏の夢が海の登場により変質することで、二人の関係がギクシャクしていくんですね。
海が出現した時点で当初思い描いていた未来は崩れていたのに、そのことに気づかないふりをして、辻褄を合わせようとしていたところが夏のズルさであり、弥生の疎外感の原因でもあります。
弥生
弥生は夏のことを愛していて、海のことも嫌っているわけではありません。
しかし、3人でいると水季の影がつきまとい、疎外感を深めていました。
彼女の抱いていた感情は津野君が抱いていたものに近いのでしょうね。
以前二人が図書館で「他人であること」について語っているシーンもありましたよね。
今回一番ドラマチックな展開は水季が弥生にあてた手紙に書かれていた文面です。
「どちらを選択してもそれはあなたの幸せのためです」という言葉は弥生が中絶をする際に書き残した言葉で、偶然それを読んだ水季は海を産むことを決意しました。
長い年月を経て、思わぬ形で過去の自分からのメッセージを受け取ったことになります。
弥生は周囲の意見に流され中絶したことを悔やんでいました。中絶したこと自体というよりは自分で選択しなかったことを後悔していたんですね。
そういう意味では今回自分の幸せのために分かれるという決断をしたことは、彼女にとっては新たなスタートとして、今度こそは自分で自分の幸せのために決断できたという「良いこと」であるともいえるわけです。
ひとつの恋が終わり、新たな人生が始まるという始まりと終わりが混在する感じはこのドラマを象徴するものとなりました。
子育てをする上では(特に母親の)自己犠牲は当然とする風潮にも異議を唱えている面もあるかと思います。
おわりに
今回一番印象に残ったのは大竹しのぶさんの演技です。
「当たり前でしょ。そうじゃないと困ります」というセリフの時の表情が絶妙でした。