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unknown第9話(最終回)~順番おかしくない?

 

 

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高畑充希さん、田中圭さん出演ドラマ『unknown』第9話は最終回です。連続殺人の犯人・加賀美が凶行に及んだ理由とすべての事件の真相が語られましたが、納得のいくものではありませんでした。私が腑に落ちなかった部分を中心に最終回を振り返ります。

放送日・あらすじ

放送日

2023年6月13日(火)21:00~テレビ朝日系列で放送

あらすじ

www.tv-asahi.co.jp

配信状況はこちらを参考にしてください↓
unknown - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

相関図はコチラ↓
相関図・キャスト|unknown|テレビ朝日 (tv-asahi.co.jp)

 

感想

梅ばあと加賀美の関係

梅ばぁは20年前児童養護施設で働いていたようで、加賀美とはその頃からの知り合いであることが明かされました。
両親を一度に亡くした加賀美を励まそうと絵本になぞらえて「両親は吸血鬼に殺された」という嘘をついたことから悲劇が始まったということらしいです。

まぁ本人に真相を語れない事情があるにしても、あまり趣味のいいウソではないですよね。
成長すればどこかの段階で両親が同時に死んだという事実から、自分に原因があることに気付く可能性があるので、それを防ぐためにも誰かに殺されたことにしたんでしょうけどね。

梅ばあはモンスターを生み出してしまった責任を取るために加賀美を殺害しすべての罪を被るつもりだったようですね。
アジ化ナトリウム - Wikipedia

これを言ってしまうと元も子もないかもしれないですけど、子供のころに聞いた「吸血鬼に殺された」という話を、大人になった後も信じ続ける人って居ますかね?

5年前に加賀美は吸血鬼の存在を知ったんですよね。
ということはそれまで吸血鬼の仕業だと信じて疑わなったのでしょうか?

それに彼は週刊誌のカメラマンですよね。
調査能力は一般人より高いはずです。
それなのに自身の両親の事件について独自に調べることもしなかったのですかね?
彼の語る吸血鬼観って絵本のままで更新されていません。

「自分に原因があることを突き止めたうえで、その事実に向き合うことができず、吸血鬼という幻想にすがった」のなら分かります。
でも知らなかったというのは無茶です。

加賀美の両親

幼い加賀美が両親にスズランの葉を紅茶に見立てて両親に飲ませたことが死の真相でした。
実際にこういう事故は発生しているそうですね。
身近な植物の中にも毒性の強いものがあるようです。
スズラン - Wikipedia

分かったことと分からなかったこと

分かったことはまず、梅ばぁは第1話の段階で加賀美が犯人であることを知っていたため、加賀美をかばいつつ加賀美の犯行を止めようとしていたことです。
証拠品が毎回クリーニング店で発見されるのは梅ばあの行動範囲だったからのようです。
でも遅くともまつりが殺害された味店でおとなしく警察に伝えるべきだったように思いますね。梅ばぁにとってまつりに対する想いと加賀美に対する想いを比べた時に加賀美を優先する必然性がありません。
また、こころを殺害しなかったのは、こころのことを好きになってしまい、殺害をためらったからだということもわかりました。

分からなかったことは「何故犯行予告をする必要があったのか」ということと、「どうやってまつりたちが吸血鬼であることを突き止めたのか」という点ですね。

順番がおかしい

加賀美は梅ばぁから真相を明かされ自殺を図りますが、追ってきたこころに襲い掛かります。

なんか順番がおかしい気がします。
もはやこころを襲う理由はありませんし、自殺を図ったということは自分のしたことの過ちを認めたことになるので行動が矛盾しています。
もちろん人間は常に整合的な行動を売るわけではないので、加賀美が混乱していたと言えばそれまでなんですけどね。
普通にこころに馬乗りになった時に梅ばあが登場して「違うんだ」って言うとか、もしくは「嘘だ」と叫びながら家を出てこころの両親をターゲットにして探しに行くとか、の方が良かったんじゃないかな。

もう一つ、南十字が地底人っていうギャグは一番最後に持ってきたほうが面白かったと思います。
『メンインブラック』ならそうしていたでしょう。
南十字は南半球で見える星ですよね。
この名前は地面の裏側に住む地底人を意味していたのかもしれないですね。

みなみじゅうじ座 - Wikipedia

そしてラストシーンはまつりが殺害される前の「楽しかったあの頃」風でしたが、あの時点で加賀美は既に殺人を犯しています。

おわりに

このドラマにおける吸血鬼は差別のメタファーで、加賀美のやったことはヘイトクライムなのですが、イマイチ表現としてうまくいってなかったように思います。
他者を理解するというテーマを描いた作品としては田中圭さんも出演されている『それでも、生きてゆく』をおすすめします。
ちょっとだけ本作と似ています。

全編を通した感想は別に書きます。