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春になったら【第1話感想】

 

 

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木梨憲武さん、奈緒さん出演ドラマ『春になったら』第1話が放送されました。余命3か月の父親と3か月後に結婚することを決めた娘を描いた本作ですが、木梨憲武さんという個性を最大限に生かしており、演出も行間を視聴者にくみ取らせる巧みさがあります。名作になりそうな予感がしますね。

 

放送日・あらすじ

放送枠

フジテレビ 月曜日 22:00~

放送日

2024年1月15日

公式サイト

春になったら | 関西テレビ放送 カンテレ

基本情報

原作

ありません

脚本

福田靖

キャスト

椎名瞳(奈緒)
椎名雅彦(木梨憲武)
岸圭吾(深澤辰哉)
⼤⾥美奈⼦(⾒上愛)
黒沢健(西垣匠)
神尾まき(筒井真理子)
杉村節子(小林聡美)
川上一馬(濱田岳)

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CHART | 春になったら | 関西テレビ放送 カンテレ

感想

間違いなく面白い

面白いドラマって開始1分でわかるんですよね。
このドラマの場合、1995年の出産を収めたホームビデオから始まりました。
そこには主に母親が映っていて、父は声だけです。
しかしその映像から、父の人となりが伝わってきますし、彼女が祝福されて生まれてきたことも伝わってきます。

そして、年賀状を届ける郵便配達から、なぜか奮発した豪華なおせち、さりげなく映り込む仏壇、2024年の元旦の光景だけでこの親子が30年間どのように暮らしていたのか、これからどうなるのかがわかるようになっています。

父親の癌だという告白を信用しない部分は多少強引ではありますが、素晴らしいオープニングでした。

木梨憲武さん

普段テレビドラマに出ない方が出演しているというだけで本作には見る価値があります。

木梨さんはほとんどバラエティ番組に出ているときのままです。
実演販売員という役柄の設定が巧みで、声が大きくても違和感がありません。
それに、「感謝される衝動買い」という言葉にも表れている職業的な特性、「私の言葉を信じれば結果的に上手くいくはず」というちょっと独善的な一面もこのキャラクターには合っています。

「売れないお笑い芸人なんかやめておけ」というセリフも木梨さんが言うとメタ的な面白さが生まれていました。
サッポロ一番を食べていたり円陣の掛け声だったり、どうやら製作者側も木梨さんが木梨さんのまま画面に映ることを意図しているようです。

そのことによって、「治療は受けない」という決断にも「木梨さんならそうするだろうなぁ」って妙に納得してしまって、すんなり入ってきました。

生と死

このドラマの特徴は娘の椎名瞳(奈緒)の職業が助産師であるという点にあります。
命の始まりと終わりがが隣り合わせにあるんですよね。
ドラマではよくあるパターンであります。

誰もが命を授かりいずれ死んでいく、その時間の流れが濃密に感じられます。

また、瞳が過去に写真部に所属していたことも今後活きてきそうですね。

治療は受けない

ようやく瞳が椎名雅彦(木梨憲武)のがんの話が本当であることを受け入れ、治療を受けるように勧めるシーンは素晴らしかったです。
彼が病気に気づいたのは昨年の9月ごろですから、彼は一人で逡巡していたのでしょう。娘が指摘するような可能性についてはすでに十分検討したうえで出した結論なんですよね。

「まだ62歳なのにまいったなぁ」とか「自分が2人の方に入れるとは思えない」という彼の言葉には彼の諦念、葛藤、困惑、覚悟など様々な感情が読み取れます。
画面上で描かれているのは一夜の親子の衝突ですが、その背後に彼の2か月が見えるのがこのドラマの優れたところですね。

おわりに

第1話を見ただけですが、見て損はない作品です。

交通事故である日突然瞳の母がいなくなったように、最後がいつ訪れるかは誰にもわかりません。
そういう意味でも老若男女すべての人におすすめできます。