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Destiny(テレビ朝日・火曜9時・石原さとみ)第9話(最終回)感想

 

 

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石原さとみさん・亀梨和也さん出演ドラマ『Destiny』第9話(最終回)が放送されました。最終回は事件の真相など、これまでに広げた風呂敷をたたむ作業に終始していてつまらない部分も多かったですが、一応「運命」というこのドラマのテーマについても言及されており、まぁまぁ良かったと思います。

放送日・あらすじ

放送枠

テレビ朝日火曜日 21:00~

放送日

2024年6月4日

公式サイト

Destiny|テレビ朝日

基本情報

原作

ありません

脚本

吉田紀

(『Dr.コトー診療所』『リエゾン』)

キャスト

西村奏   石原さとみ
野木真樹  亀梨和也
森知美   宮澤エマ
梅田祐希  矢本悠馬
及川カオリ 田中みな実

相関図はコチラ↓

相関図・キャスト|Destiny|テレビ朝日

感想

真相は明かされた

最終回ということで事件の真相が明かされました。
とはいっても、明かされた内容のほぼすべてが既に知っていること、あるいは予想できたことなので、がっかり感は否めないですね。
真相の明かし方も野木弁護士がほぼすべて説明するという工夫のないもので、見ていてつまらなかったです。
最終回に対する評判が芳しくないのは仕方がないように思います。
正直私もがっかりしました。
例えば藤原竜也さん主演ドラマ『リバース』では事故の真相としてそばアレルギーが提示されます。
「なんじゃそりゃ」と思わなくもないですが、意外な真相にスッキリ感がありました。
そういうものがこのドラマには欠けているんですよね。

ただ、9話も見続けたドラマを「つまらない」の一言で片づけるのも気が引けるので、できるだけ肯定的に振り返りたいと思います。

このドラマの問題点は要素を盛り込みすぎている点です。
友情の物語なのか、女性の物語なのか、恋愛の話なのか、どのような見方をすればいいのかわからないんですよね。

最終回では「親子の物語」という側面が強調されました。
このドラマには3組の親子が登場します。辻親子・野木親子・東親子の3組ですね。
これまで「息子の不祥事をもみ消す」というゆがんだ関係性が野木親子の特徴として描かれていましたが、実はその歪みは東親子のものだったというのが最終回で明かされた真相の重要な部分です。

野木は自身の罪の意識や息子と向き合うことを避けていたんですね。
カオリも真樹も過去と向き合うことを求めていましたが、それは彼にとっては困難なことだったのでしょう。
過去にふたをする野木弁護士と過去に向き合う葵も対比的に描かれています。

例えば「野木弁護士は辻検事を死に追いやってしまったことに罪の意識を持っていて、彼女の成長を父親のように見守っていた」という要素がもっと強調されていればよかったかもしれません。

病気も治った

野木弁護士の改心は野木親子の和解にもつながっています。
過去に向き合い、息子とも向き合うことを決めた父の思いを受け止め、真樹は生きることを決意します。
このドラマのタイトル『Destiny』とは運命を受けいれて生きることを意味しているのかもしれませんね。

ここでも「向き合うことの大切さ」が描かれていて一応まとまっています。

仲村トオルさんが亀梨さんと重なる表情を見せていたのも、親子を感じられてよかったと思います。

その他

明かされた真相はそれほど面白くないですが、証拠品の面で

  • 使わないガラケーを契約し続けていた
  • 本体ではなくデータ保存サービスが目的だった

という工夫はされていました。

秘書役の方の虚しさが漂う演技のおかげでそれなりに見ていられるシーンになっていましたね。

全話を通した感想

最終回を迎えたので全話を通した感想を書きたいと思います。

このドラマの最大の問題点は描きたいことが多すぎて、内容が拡散していることです。
親子の物語なのか、友情の物語なのか、主人公の成長の物語なのか、よくわかりません。
明かされた真相も意外性はありませんでした。
その結果としてキャラクターの描きこみが足りず、掘り下げられていないんですよね。

主人公以外の主要なキャラクターには逃避的な面があります。
海外に井戸を掘りに行ったり、弁護士の夢をあきらめたり、向いていない弁護士の仕事を続けていたりと必ずしも人生はうまくいっていません。
それに対して、主人公は大きな喪失感を抱えながらも前を向いています。

「運命」を切り開く主人公の姿勢が周囲に伝播していく物語なのですが、視聴者が積極的に意図をくみ取らない限り、そのようには思えないんですよね。

ただ、最終回を終えてみるとそれなりに友情・親子・運命などのテーマが結びついてはいました。
もう少しわかりやすく整理してくれていればもっと楽しめたのかもしれません。

おわりに

書いているうちにそれほど悪くない作品のような気もしてきました。
無駄を省いていけば名作になっていたかもしれませんね。