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それでも、生きてゆく第7話~文哉の過去

 

 

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東看護師の口から文哉の医療少年院時代が明かされました。文哉の描き方については賛否が分かれるかもしれませんね。

放送日・あらすじ

放送日

2011年8月18日(木)22:00~フジテレビ系列で放送

あらすじ

www.fujitv.co.jp

 

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感想

医療少年院

医療少年院の看護師がそこにいる少年に異様な関心を描くという設定は本来飲みこみづらいものがありますが、彼女がその前の職場で男の3000万円貢いだという設定があるのでなんとなく東個人の資質の問題として受け入れやすく工夫されていますね。

彼女は自分の手で誰かが変わるのを見るのが好きなのかもしれないですね。

だからこそ医療少年院で働いていたのかも。

しかし、文哉は彼女の手に負えるような存在ではなくて、結果的に完全に治っていない文哉を野に放ってしまいました。

獰猛な外来種を飼育放棄してしまう人に似た感じですね。

文哉の頭の中

文哉は自分が人を殺したのは病気が原因であり、それは治療されたのだから大丈夫だという建前で罪を犯した自分を守ってきたみたいです。

「人を殺すのは良くないことだからです。」という言い方にはすべて病気のせいにしてどこか他人事のように振舞う態度が見受けられます。

自分に言い聞かせているようでもあります。

しかし、彼の奥底にいまだ消えない殺人衝動が実在することに彼自身が気付いているんですよ。

文哉の頭の中には井戸のようなものがあり、その水が枯れるとまるで他人に支配されるかのように殺人衝動が抑えられなくなるようです。

金魚とか井戸、水槽など三日月湖の事件をどこか連想させます。

彼も何とか我慢しようとしているのですが、その手段がスクワットを繰り返すだけなんですよ。

何度も何度もスクワットを繰り返しているということは衝動が抑えきれなくなていることの証明であり、この薄氷を踏む感じが画面に緊張感を与えます。

彼の殺人衝動の根本にあるのは「自分は生まれてくるべきではなかった」という思いであり、まるで自分自身を投影するかのように亜季を殺害したし、自分の子供も生まれてくる前に流産に追い込みます。

でも彼が殺害したのも殺害を企てたのも双葉を含めて全部女児なんですよね。

殺人衝動があるのはわかるとしても、なぜその対象が女児だけなのかはまだ分かりません。

自分に重ねているのなら男児のほうが自然な気もするのですが。

農園

今までの中で最もスリリングなシーンでした。

視聴者は第1話で文哉が金づちで亜季を殺害したことを知っていますし、彼が殺人衝動を今も抱えていることを東看護師の証言で知らされています。

スクワットをする表情からその限界が近づいていることもわかります。

金づちを握った手が自分の意思では解けないぐらい強く握りしめられていて本当にギリギリの局面でした。

しかし、そのあと真岐の言ったセリフの中にも「母親」とか「あんたなんか生まれてこなければよかった」というトリガーになりそうなセリフが組み込まれているんです。

こういう視聴者に「危ない!」って思わせる演出が上手いですね。

双葉と響子

前回兄が反省していないことを思い知らされた双葉は洋貴のもとを訪れます。

響子の口から「幸せになりたいと思っていいのよ」というセリフが出ると感慨深いものがありますね。

私も洋貴の黄色の靴下は気になっていたんですよ。

第1話の喪服の時から黄色でした。

こういうのって脚本家の方が指定するのかな?

最初からこのセリフが用意されていたのか、映像を見て変えたのか気になります。

まとめ

これまでは被害者家族と加害者家族のストーリーでしたが、今回から犯罪当事者である文哉が全面に出てきました。

実在の事件とは関係ないと言ってはいますが、明らかにモデルにしている事件はあるわけで、だからこそ描き方の塩梅は難しいですよね。