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Nのために第1話~湊かなえ原作ドラマ

 

 

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放送日・あらすじ

2014年10月17日(金)22:00~TBS系列で放送

www.tbs.co.jp

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人物相関図|TBSテレビ:金曜ドラマ「Nのために」

感想

ストーリー展開

杉下と成瀬の生い立ちを描いた1999年~、殺人事件が発生した2004年のクリスマス、西崎が出所した2014年現在、の3つの時間軸でストーリーが進んでいきます。

高野茂が探偵役で『白夜行』における武田鉄矢のような役割を果たしています。

そういえば三浦友和さんは『流星の絆』でも老刑事の役をやってましたね。

いきなり殺人事件から始まるし、切り替わりが結構チャカチャカしているので、興味を惹かれるというよりは「見づらいな」っていうのが私の正直な第一印象です。

登場人物の独白っぽいナレーションが挟み込まれるのも『夜行観覧車』や『リバース』と共通です。

1999年青景島

夏祭りの準備をする1999年の青景島に場面が移ります。

作者の湊かなえさんは因島出身で現在は淡路島に住んでいるそうなので瀬戸内海に愛着があるのかもしれません。

島とはいえそれなりに人口があり、かつては造船業で栄えたということから小豆島がモデルかな?と推測しています。

撮影自体は小豆島で行われたそうですよ。

彼らが船で向かう本土とは四国の高松のことで本州ではないんです。

「おっは~」というセリフも挟み込まれていました。時代をあらわす記号ですね。

とても美しい青春の1ページっぽい映像なのですが、不穏さの影のようなものが挟み込まれていました。

とはいっても、母親が父とのなれそめを語り、父は祭りの準備をしながら海を眺める、ってだけですけどね。

父の豹変

のどかな田舎の風景かと思いきや、いきなりショッキングな出来事が起こります。

中年の危機でしょうか?残りの人生を考えた時にこのまま家族のために働き続けるのが馬鹿らしくなった父がある日突然愛人を連れてきて、家族を高台のぼろ屋に追いやります。

この時の父親の何を言っても通じない感じがホラー映画のようです。

父は婿養子ではあるものの傾いた経営を立て直したらしく、母は働いたこともないし料理も下手で、プライドや見栄ばかり気にして生活力が全くないんです。

捨てられた、もうかつての生活は戻ってこないという現実を受け入れられず、化粧水をべとべとにつけるシーンもホラーでした。

『夜行観覧車』の鈴木京香さんが唐揚げを口に突っ込むシーンと似ています。

希美は愛人のもとに食べ物をめぐんでもらいに行きます。自分たちを苦境に追いやった張本人に土下座をする胸糞悪いシーンでした。

さらにこの恵んでもらったご飯が母の作る料理より格段においしいっていうのが意地悪いですよね。

進路

なんとか10万円の生活費で希美たちは生活をしていきます。

その10万円という中にどこまでの費用が含まれているのかは分かりませんが、家族3人であれば贅沢をしなければ暮らせる額ですよね。

父の年収を1000万と仮定すると離婚した場合の養育費の相場の半分程度みたいです。

https://share-day.com/1000.html

父親は自分が高卒であることにコンプレックスと歪んだプライドのようなものを抱えていて、弟の高校進学には援助してくれますが、希美の大学進学にはお金を出そうとしません。

希美も進学をあきらめて就職する道を選べば普通に生きていくことはできると思いますし、この10万円という設定は絶妙です。

野望

母のようになりたくない、父に自分の人生の命運を握られたくない。という思いが希美に「上を目指す」という野望を抱かせます。

ここがこのドラマのちょっと弱いところで、この時希美を演じている榮倉奈々さんは26歳なんですね。

希美の野望というのは子供っぽい、島の外の世界を知らない高校生の思いつく幼稚なものなのですが、榮倉さんの見た目が大人なので変な感じがします。

さっきの理不尽な土下座のシーンも本当の高校生ではないのでドギツさが多少低減している気がします。

成瀬

成瀬の実家の料亭・さざなみも経営が立ち行かなくなっているようで、売却が決まりました。

跡を継ぐことを考えていた成瀬は進路変更をしなければなりませんし、家を失うという意味では希美と同じ立場になります。

島一番の料亭であるというプライドから人に頭を下げることができない父親っていうのもどこか希美の家庭と似ていますね。

田舎のあるあると言ったほうが良いのかも。

2014年

「全てはNのために」という西崎容疑者の言葉をめぐり高野は調査を進めます。

事件現場に居合わせた被害者を含めた6人のイニシャルはNなんです。

このNとは誰のことを指すのか?がこのドラマの最大の仕掛けですが、現時点では杉下と成瀬の2人しか登場していないので何とも言えないです。

まとめ

胸糞悪いシーンもありましたが、夜行観覧車よりは穏やかに見られそうです。