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大奥第8話~吉宗編に戻ってきました。

 

 

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NHKで放送中のドラマ『大奥』は綱吉編が終了し、今回から再び冨永愛さん主演の吉宗編に帰ってきました。これまでの家光編・綱吉編よりも政治的な内容で、幕府の財政や米価の下落に加え、赤面疱瘡の治療法確立が扱われています。

 

放送日・あらすじ

放送日

2023年2月28日(火)22:00~NHKで放送

あらすじ


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キャストはコチラ↓
大奥 - NHK

感想

今後の展開

NHKからリリースがあり、シーズン2が2023年秋に制作されるようです。

www.nhk.jp

リンク先にも書いていますが、シーズン1は第10話までの吉宗編で一旦終了し、シーズン2は吉宗の遺志を継いで赤面疱瘡の治療と幕末を取り上げるようですね。

つまり今回を含めた残り3話はシーズン2にもつながる重要な回ということになります。

吉宗編

第1話以来の吉宗編です。元禄文化が花開いた綱吉の時代から一転し、幕府の財政は逼迫、質素倹約が強いられているのは第1話から継続です。
ストーリーも将軍と大奥の中臈たちの恋愛を描いた家光・綱吉編とは打って変わって、史実をふんだんに盛り込んだ政治ドラマになっています。
そして上にも書きましたが、吉宗以降は赤面疱瘡の治療に重点が置かれるので、医療要素も少しづつ盛り込まれています。

順番に振り返ります。

吉宗の政治課題

最初に私は日本史に詳しくないので、これから書くことはあくまでこのドラマを見ての感想であり、史実に関する正確な情報とは限らないことを留保しておきますね。

吉宗(冨永愛)の政治課題は幕府財政のひっ迫とその原因でもある米価の下落でした。
吉宗は徹底した倹約と米の買い上げを画策しますが、特に米相場への介入はそれを富の源泉とする大阪商人たちの反発にあい、上米の制という善後策で決着しました。

なぜ失敗したのか?

吉宗の政策が失敗した理由はこのドラマでは「人の気持ちがわからないから」という風に説明されています。
それを指摘するのが藤波(片岡愛之助)であるというところが面白いですね。

男女が逆転した社会では父親が誰であるかはそれほど重要ではありません。
これは男女の役割を入れ替えただけでは説明できない非対称な部分であり、このドラマが抱える弱点でもあります。
それを逆手に取っているのが素晴らしい。

藤波の言っていることは「人はパンのみで生きているわけではない。」ってことなんでしょう。
効率化を気にするあまり特に弱い者の人間としての尊厳を軽視してしまうところが吉宗にありました。
吉宗にとって無駄に見えるものが人間の誇りのためには大切だったのです。
そして、藤波は効率化と相手に対する敬意は両立するとも言っているところも抜け目がないです。
この一言があるのとないのとでは大違いですから。

指摘を受けた吉宗の整理のつけ方も程よいです。
「私には人の心がわからない」と落ち込みすぎるのではなく、自分の知識や能力には限界があることを認め、「自分の知らないところで苦しんでいる人がいるかもしれない。」と無知であることを悟るんですね。

小石川養生所

そういった吉宗の人格や政治課題、赤面疱瘡といったテーマが江戸に流入した生活困窮者対策という形で合流します。
吉宗は藤波の指摘を受け入れ、小川笙船(片桐はいり)の陳情を聞き入れます。
吉宗にかけていたものは数字の上には出てこない、そもそも米を買う金すら持たない人々への博愛精神だったんですね。

せっかく完成したのに怖がって誰も来ないという裏読みする人の心にも、慌てず透明化で対処するなど吉宗の成長が感じられました。

進吉(中島裕翔)との恋愛要素もスパイス程度に盛り込まれていました。

まとめ

今回で医療編へと向かう下地は整いましたね。

普通に徳川15代を漫画化するだけでも難しいのに、そこに男女逆転という要素を入れる手腕には毎度感心させられます。

書き忘れてましたが、鎖国した理由もよく考えられていました。