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目黒蓮さん・有村架純さん出演ドラマ『海のはじまり』第7話が放送されました。『くまとやまねこ』という絵本を引用しながら、四十九日という節目を迎え水季の死を受け入れようとするキャラクターたちが描かれています。津野君を好きになる回でした。
放送日・あらすじ
放送枠
フジテレビ 月曜日 21:00~
放送日
2024年8月12日
公式サイト
基本情報
原作
ありません
脚本
⽣⽅美久
キャスト
月岡夏 目黒 蓮
百瀬弥生 有村架純
南雲海 泉谷星奈
月岡大和 木戸大聖
南雲水季 古川琴音
津野晴明 池松壮亮
南雲朱音 大竹しのぶ
相関図はコチラ↓
https://www.fujitv.co.jp/uminohajimari/chart/
感想
くまとやまねこ
このドラマには図書館が登場することもあり、絵本が度々映り込みます。
今回は『くまとやまねこ』が大きく取り上げられました。
私は読んだわけではないですが、このお話は友人の死からふさぎ込んでいたクマが立ち直るお話のようです。
「死を受け入れる」という今回のテーマを言い表していますね。
あと、水季の四十九日ということで、第7話にあたる今回は見ている我々の世界でも大体49日程度経過する週にあたります。
ドラマの中で流れている時間と現実の時間は同じぐらいのペースで進んでいるようです。
各キャラクターが水季の死に向き合っているのですが、弥生は水季と接点がほぼありませんし、夏も大学時代に別れたころから水季との交流はありません。
そういう意味では水季の死を受け入れなければならないのは、海と津野君と朱音です。
海については子供ということもあって遺骨をめぐる話が描かれたぐらいで、それほど時間は割かれていません。
朱音や海に関してはこれまでも描かれていましたからね。
ということで第7話は津野君が水季の死を受け入れるまでの過程を丁寧に描く回になっていました。
まず最初に破れた『くまとやまねこ』の本を修復するシーンから始まりますが、これは津野の心を象徴しているようでしたね。
コロッケ
さて、津野君の話は結構入り組んでいるので後回しにするとして、先に私が面白いなぁと感じたポイントを紹介します。
まず、コロッケです。
コロッケは夏が子供がいることを家族に報告する際にも食卓に並んでいた食べ物です。
「コロッケ食べながらする話」という印象的なセリフもありましたよね。
コロッケほど人によってイメージが異なる食べ物もないでしょう。
家庭の味を想像する人もいれば、肉屋さんのコロッケやお惣菜のものをイメージする人もいますからね。
コロッケ一つで価値観の違い家庭環境を表現するあたりが面白いです。
第7話には他にもこれまでに登場したシーンと重なる描写がありました。
水季の部屋を片付ける朱音が津野に言い放った「触らないで」は第1話で津野が夏に言ったセリフと同じです。
彼はこの時から疎外感を感じていて、葬式での発言につながったのでしょう。
あとは、ヨーグルトとみかんのお話も好きでした。
深刻な相手の話を聞きたくないがために、病院の売店の他愛もない話をするというシーンはありがちです。
でもその先が面白かった。
津野が「みかん味のヨーグルト」を買ってくるように頼まれたときに、私は「無かったらどうするんだろうなぁ、でも売店充実してたみたいだし、そういうことか」みたいなことをぼんやり考えていたんです。
そしたら、津野が「みかんのが無かったら?」って聞き返したんですよ。
これを聞き返すかどうかでかなり印象違いますよね。
この丁寧なやりとり、そしてミカンとヨーグルトを買ってくるあたりも、彼の人となりが表れていて最高でした。
津野君
私がこのドラマの中で一番好きなキャラクターは津野君です。
前回までは弥生と同率ぐらいだったのですが、今回一位に躍り出ました。
津野君は不器用というか優しさの表現が遠回りなんですよね。
彼は険のある言い方をするときがあるし、人との距離感が近すぎるかと思えば遠ざけすぎていたり、危うさを感じます。
「ザ・青年」って感じですよね。どことなく『ライ麦畑でつかまえて』を思い出しました。
水季に対して好意を抱いているけど、一歩踏み出せないでいて、「他人」として遠ざけられることを嫌いながらも、その線を越えようとはしないんです。
彼は「生前の水季を知っている」ということに価値を置いていて、思い出の中に浸っていました。
だからこそ「あの人水季水季ってうるさいですよね。」という彼のセリフにはこれまでにない力強さを感じました。
母性であるとか血のつながりであるとかに囚われていたのは彼のほうで、彼の中で何か光が差したのが感じられたんですよね。
「南雲さんみたいに一人で決めないでくださいね」という彼の反省でもあり、水季のダメなところの指摘でもあるセリフもよかったです。
おわりに
ドラマと全然関係ないですが、フジパン本仕込みのCMに「実際は清潔な工場で製造しています」という字幕が表示されているのがシュールだなぁと毎回思います。