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君が心をくれたから【第1話感想】

 

 

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永野芽郁さん、山田裕貴さん出演ドラマ『君が心をくれたから』第1話が放送されました。全体的にジブリっぽい雰囲気で始まった本作はベタな展開を一気にかっ飛ばし、衝撃的な事故とファンタジックで不思議な取引に展開していきます。見たい部分をあまり見せてくれなかった印象です。

 

放送日・あらすじ

放送枠

フジテレビ 月曜日 21:00~

放送日

2024年1月8日

公式サイト

君が心をくれたから - フジテレビ

基本情報

原作

ありません

脚本

宇山佳佑

キャスト

逢原 雨(永野芽郁)
朝野太陽(山田裕貴)
望田 司(白洲 迅)
朝野春陽(出口夏希)
柳田達夫(螢雪次朗)
花村竜一(佐藤貴史)
菊野 純(谷恭輔)
飛岡雄星(萩原護)
日下(斎藤工)
千秋(松本若菜)
逢原霞美(真飛聖)
朝野陽平(遠藤憲一)
逢原雪乃(余貴美子)

相関図はコチラ↓

相関図 | 君が心をくれたから - フジテレビ

感想

全体的な感想

かなりいろんな要素が詰め込まれている印象でした。
第1話は雨(永野芽郁)が太陽(山田裕貴)のために心をささげるまでを描いています。
「なぜ彼女がそこまでして太陽を救うのか?」を説明するために、二人の生い立ちや出会い、10年間の挫折、再会を一気に描いています。

普通ならこの10年間だけで十分一つのドラマを作れると思うんですよ。
それぐらい波乱万丈な二人の人生が、単なるプロローグであるというところに本作の欲張り具合が表れていますね。

ジブリっぽさ

まず気になったのはジブリっぽさです。
『耳をすませば』とかのあの感じですよ。
特に校内放送のスイッチが誤ってオンになり全校生徒からはやし立てられるのはまさにジブリです。
こういうのって太陽が高校の人気者の場合に成立するものだと思うので違和感はありました。

ほかにも雨と暮らす祖母の感じもジブリだなぁって思いましたね。
でもジブリなら花火師の作業の手元とかもっと映すと思うんですよね。

それに、二人の過去の壮絶さがジブリっぽい多幸感を上回っていて効果的ではなかったです。

好きな女の子に近づくために口から出まかせの迷信を言うのもそれ自体面白い展開なのですが、それほど膨らむこともなく終わっていきます。

自己肯定感

虐待を受けていたせいで自己肯定感の低い雨が、太陽と出会ったことで自分を肯定できるようになるというのも素敵な話です。
でも、どうして太陽が雨に惹かれたのか、雨がどうして太陽の言葉を受け入れたのか、よくわかりません。
一応説明はあるんですけど、淡白でしたし、10年間を経た再会で挫折した話もダイジェストのようなので「その程度で心を失うのなら運命とは言えないのでは?」って思っちゃいました。
私は観てないですけど『耳をすませば』の実写版ってこの辺りを描いていたんじゃなかったっけ?
この部分こそ知りたいのに、スキップしちゃうんですよね。

あと、そもそも論になっちゃいますけど、雨ってそんなに変な名前ですか?

ビックリな展開

ここまででかなり満腹だったんですよ。
しかしこのドラマはそこにさらに強烈なトッピングを加えて味変してきます。
『死神の精度』みたいな斎藤工が登場し、命と引き換えに雨の五感を奪うと言い出すのです。
心を差し出すことが五感を奪うことにつながる理由もいまいち納得できないですし、3か月かける理由も「ドラマが3か月だから」という以外見当たりません。
悲惨な人生を送る雨からさらに奪おうとするのは『ヨブ記』のような宗教性すら感じさせます。
『ファウスト』っぽくもありますね。

代償に何かを差し出すというのはよくあることですけど、五感っていうのが妙に重たいし、太陽がすでに色覚異常を抱えていることともバッティングしていますし、微妙です。

ちなみに、長崎を舞台にしたドラマ『愛し君へ』も視覚を失う話でした。

花火

夜行バスに乗り込む雨を太陽が引き留めるシーンはもうちょっとどうにかならなかったのかな?

太陽がわざと人混みを選んでいるように見えましたし、バスの停車位置が不自然です。
それに爆竹って振りかぶって投げますか?
そもそもなんで持ってるんですか?

「目のせいにして夢をあきらめてはいけない」ってことに初回で気づいてしまうのも早すぎます。

良かった点

冒頭の気持ち悪さ満載の太陽のアプローチを「気持ち悪いです」と拒絶したのは良かったと思います。
「派手な傘ですね」って不用意に言ったら、母の形見だった時の気まずさがもっと表現できていればさらに良かったかも。

あと、出口夏希さんもそれほどストーリーには絡んでこなさそうですが、安心してみていられるキャラクターでした。

おわりに

全体的にダイジェスト版を見ているようでした。
「あの子の心を変えてあげて」という強いセリフが短期間で二回登場したことも違和感がありました。
つらい話になりそうだし、『春になったら』に乗り換えるかも。

第1話を見逃した方はそのまま第2話から見たほうが案外面白いかもしれません。

それにしても嗅覚を失うって映像でどうやって表現するのでしょうね?