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ホットスポット(日本テレビ・日曜10時30分・市川実日子)感想

 

 

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市川実日子さん出演ドラマ『ホットスポット』が放送されました。『未知との遭遇』とは異なり『未知との日常』を描く本作は、日常の中に宇宙人が潜んでいるという面白い設定の作品です。バカリズムさんらしい着眼点が楽しめます。

放送日・あらすじ

放送枠

日本テレビ 22:30~

放送日

2025年1月12日

公式サイト

2025年1月期日曜ドラマ『ホットスポット』|日本テレビ

基本情報

脚本

バカリズム

キャスト

遠藤清美  市川実日子
高橋孝介  角田晃広
磯村由美  夏帆
小野寺充  白石隼也
沢田えり  坂井真紀
中本こずえ 野呂佳代
奥田貴弘  田中直樹
村上文男  小日向文世
丸山四郎  清水伸
宮本拓実  勢登健雄
中村葉月  鈴木杏
日比野美波 平岩紙
遠藤若葉  住田萌乃

相関図はコチラ↓

相関図(キャスト)|日曜ドラマ『ホットスポット』|日本テレビ

 

感想

バカリズムさんの脚本

バカリズムさんの脚本といえば、昨年話題となった『ブラッシュアップライフ』が記憶に新しいですね。他にも『架空OL日記』『殺意の道程』『素敵な選TAXI』など、ユニークな視点と緻密な脚本が光る作品を手掛けています。

本作の冒頭、主人公・遠藤が朝の身支度を済ませ、出勤する様子が描かれます。その日常感あふれる描写は、『架空OL日記』を彷彿とさせました。特に興味深かったのは、ホテルのフロント業務の「あるある」をリアルに描いている点です。夜勤担当者との交代や、チェックアウトラッシュでの忙しさなど、業界独特のエピソードがテンポよく紹介され、キャラクターたちの関係性が自然と浮き彫りになっていきます。

中でも「ルーチェン(ルームチェンジ)」という専門用語が説明なく使われることで、リアリティが一層引き立っていました。また、常連客の変わった行動や、忙しい朝に長話を避けるといった細かい描写が、後の展開への伏線となっている点も見事です。

さらに巧みだと感じたのは、「日常」のルーティンとして物語が一度締めくくられることです。このドラマでは宇宙人が登場することが事前に明かされているため、多くの視聴者が「非日常」へと発展する展開を予想していたはずです。しかし、夜の事故シーンで緊張が高まった直後、CMを挟んで何事もなかったかのように週末の会話シーンへと移行します。このCMを間に挟むという地上波ならではの手法で予想を裏切る展開には、思わず唸らされました。

宇宙人の設定

宇宙人が超能力を使えるという設定も、バカリズムさんらしいユーモアが光ります。能力を増幅させることしかできない、使いすぎると副作用が生じる――この細かい制約がリアリティを持たせると同時に、物語の緊張感を高めています。超能力を無制限に使えるわけではない設定は、視聴者に「限られた中でどう工夫するか」を想像させる余地を与えてくれます。

これまでにも「宇宙人が地球人に紛れて暮らしている」映画や、「取るに足らない超能力で事件を解決する」作品はありました。長澤まさみさん主演の『曲がれスプーン』は超能力のくだらなさが本作と似ています。

しかし、このドラマの面白さはそこにあるのではありません。むしろ、このシチュエーションの中で表現されるバカリズムさんならではの視点にあります。日常の中に潜む違和感やもやもやを言語化し、共感を引き出す――その手腕は、『架空OL日記』でも多くの人を惹きつけたポイントです。

本作では、宇宙人の「ありえない日常」と現実社会の「あるある」が混在しているのが特徴的です。たとえば、地球人と宇宙人のハーフである高橋が「向こう(宇宙)に入ったことがない」「自分は地球人の母親似」と話す場面は、宇宙人を外国人に置き換えると非常にリアルな会話に思えます。また、宇宙人らしい話が聞けるかと思いきや、ただの体質自慢や武勇伝だったという落差も、笑いを誘う要素として秀逸です。

きれいな回収

本作の最大の魅力は、前半でさりげなく提示された情報がすべて結末で回収される構成です。インスタフォローの話や、バスタオルを持ち帰る常連客、主人公がシングルマザーであること、主役顔――これらのディテールが、物語のラストで見事に繋がります。その完成度には感心させられ、見終わった後の満足感がひときわ大きいです。

観終わった後、「また最初から見返したい」と思わせる力があるのは、脚本の緻密さとユーモアのなせる技ですね。
後から見返すと、中本が同情を誘おうとしているときに、遠藤がカチンときている様子が見て取れます。
市川実日子さんの演技も素晴らしかったです。

おわりに

まだそれほど話が展開していませんし、このまま日常系の話が続くのかどうかはわかりません。
今のところ楽しく毎週見れそうな作品でいた。