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罠の戦争 第11話(最終回)~犬飼大臣再登場

 

 

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放送日・あらすじ

放送日

2023年3月27日(月)22:00~フジテレビ系列で放送

あらすじ

www.ktv.jp

配信状況はこちらを参考にしてください↓
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相関図 | 罠の戦争 | 関西テレビ放送 カンテレ (ktv.jp)

 

 

感想

孤独

最終回は前後半に分かれています。

前半は鷲津が破滅の道を進み、孤独になっていく過程を描いていましたね。

自己保身のための親友・鷹野の弱味探しを秘書にやらせるっていうクズっぷり、次々に愛想をつかされていきます。

ついには補佐官辞任に追い込まれ、離婚まで突き付けられて、終わっていく人間のよくあるパターンですね。

総理が鷹野をつぶしたい思っているという展開はちょっと節操がない感じはします。

反転

朝の通学路で息子がいじめられている同級生を助けるところを目撃して、それまでの破滅の道から逆転していきます。

このドラマは息子に誇れる父親でありたい、正しいことを何も恐れずできる社会にしたいという願いからスタートしています。息子が突き落されたのもそれが原因でした。

キャンプでごみを置いて帰ろうとした人に注意した父親っていうのが息子の中にある理想の父親像であり、「別に普通でしょ」というのはその時の父のセリフです。

逆恨みされて死にかけたのに再び正しい行いをしようとする息子に鷲津は胸を撃たれ、初心を思い出したのでしょう。

鷲津の中で消えかかっていた正義感が呼び起こされます。

最後の罠

心を入れ替えた鷲津はそりに面従腹背しながら準備をすすめ、釈明会見の場で弦巻の空港建設での不正と総理の反社会勢力とのつながりを告発します。

中継が中断される描写はメディアに対する批判も含んでいるのかもしれません。

鷲津がやったことはいわば自爆テロで、自分が権力に魅了され、憑りつかれるまでの過程を正直に話すのですが、そこで植物のたとえを持ち出すのが面白いところです。

このドラマでは毎回蛯沢の口から植物に関する蘊蓄が披露されていました。

前回蛯沢が語った竹の花と竹林の話には続きがあったことになります。

一度枯れても再び竹林は再生する、”秩序が壊れる”というもっともらしい理屈をつけて古い体質を温存しているのは新しい芽が出るのを阻害しているだけなのではないか?

この場面では明言はされていませんが秩序のために弱い者に犠牲を強いているという構造もあるということはこのドラマでずっと描かれてきたことです。

そのあとに、蛯沢が「そういう説もあります。」と付け足したのが良かった。

より強い竹林になるというのは絶対ではなくて、社会を変えようという意思を持ち続けなければ元の木阿弥になり社会は変わらないという意味だと思います。

意外な展開

それほど意外ってわけでもないですが、妻の可南子が国政に挑戦します。

夫が議員辞職した補欠選挙に元妻が、夫が不正を告発した党の候補者として出馬することが受け入れられるのかどうか、ちょっと疑問です。

まぁでも、永田町の論理に染まらない政治家らしくない人物こそが政治家にふさわしいというこのドラマの主張にはぴったりの人物ですね。

変わらないことを嘆くだけでなく、変えたければ政治家になろうというのは視聴者に向けられたメッセージですね。

このドラマを可南子を主人公としてとらえ直すと違って見えてくるかもしれません。

ちなみに可南子が変えたかったのは母体保護法など、中絶薬についての問題です。

経口中絶薬「女性に選択肢」 緊急対応や価格に懸念も - 日本経済新聞 (nikkei.com)

これはおそらく脚本家の後藤法子さんの問題意識なのでしょう。

鷲津が立件されなかったことや、離婚したことも最後の政策秘書になるという展開のためな気がして、どうでもいいかなって思っちゃいました。

鶴巻の子飼いの蛭谷が首相になっていたり、秩序側の復原力も示されていて、社会を変えることが容易ではないことが示されていたのは良かったんじゃないかと思います。

犬飼大臣も病気から回復して農業をやってるみたいですね。

まとめ

正直、面白いかと言われればこの最終回はそれほど面白くはなかったかも。

ただ、起承転結がはっきりしていて(特に転)、きれいに回収して幕を下ろした感じはあります。

全編を通した感想は別に書きます。